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わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

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第15章
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 こっちに来て、3度目のお正月を迎えていた。朝のお祝いの後は、いつものように着物を着せてもらって、初詣に行く予定なのだが、紳おじちゃんが

「実海 3日に 今年も 渡来君と会うんだが 一緒にどうだ? 彼も会いたがってるよ」

「うー トライ? ・・・あの 沖縄の人かぁー 誠一郎おじちゃんは?」

「今年は、来てない 若手と一緒らしい」

「ほんだら 止めとく トライいわおーぉさんには よろしく言っておいてネ」

「そうか 残念がるだろうなー じゃぁ みゅうみゅんの着物姿だけでも見せてやるかー とびっきり美人なのを」

「・・・見せるだけならええけど・・・ みゅうみゅんに惚れるなって言っといてなー みゅうみゅんは もう好きな人おるって」

「えぇーぇ」と、驚いたような声を出したのは、じっちゃんだった。

「あっ ちゃうんよ! みゅうみゅんの恋人はラグビーってことやからー」

 じっちゃんは、たっ君とのこと知らないのだ。ばっちゃんは、知っているのだろうけど、紳おじちゃんは、どうだかー 知らない振りをしてるだけなのかも。

 それに、私は、3日の日は花園に高校全国大会の準決勝を見に行く約束をしているのだ。たっ君と。

 そして、2日の日は水島のお家に行くことになっているから、利勝に無理やり頼んで 宿場餅を作れと言っておいた。3が日はお店は休みなんだけど、2日の日だけお年始用にと予約分だけ受け付けていたのだ。だけど、私は、利勝の作ったのを食べたくて、特別に頼んでいた。

 向こうの家に行く前に受け取りに行くと、半開きのお店からお母さんが出てきて

「あっ あぁー 実海ちゃん? まぁ まぁー あんたぁー 出てきなさいよーっ」と、奥に向かって叫んでいた。「なんだよー うるさいなぁー」と、半分赤ら顔のお父さんが出てきて

「へっ ? ? ? 見たことあるよなー 名前が出てこないなぁー TVで歌ってる人?」

「あんた なに言ってんのー 酔っぱらってるの? そこのモトマチさんとこの実海ちゃんよっ」

「はっ ハァー? あの元気そうな子か? へぇー 女は化け物だなー」と、言った瞬間にお尻を叩かれていた。

「正月早々、何言ってんのよー こんなにきれいな着物美人を見られて感謝しなくっちゃーね あっ そう 利勝がね 2学期の成績 学年で10番だったのよ 実海ちゃんと泉希ちゃんがけしかけてくれたお陰 ありがとうね」

 10番・・・私は6番だったのだけど、後ろから追いかけられてると感じていた。その時、利勝が姿を見せて、しばらく私を眺めていて

「なに ぼぉーとしてるん! 頼んどいたもん 受け取りにきたんよ!」

「あっ あー あんまり 普段と違うからー やっぱり みゅうみゅんだよねー?」

「そーだよ! ねぼけとんかーぁ」

「ううーん あのな 8個しか作れんかった 調子悪かったんやー」

「ええよー 8個で あんがとー」

「実海ちゃん お使い物?」と、お母さんが聞いてきて

「ってわけちゃうけどー おとんの実家に行くんで持って行くん」

「まぁ それじゃーぁ 利勝のんなんて 失礼じゃぁない! 1箱予備があるから そっち持って行き来なさいよー」

「いいんです おばさん みゅうみゅんは利勝君が作ったの 好きなんです だから、みゅうみゅんの親友が作ったんだよって、自慢する 食べてみてって 持って行くから」

「おっ 泣かせるようなこと言うねぇー こんな子が利勝の嫁に来てくれたらなぁー」

「あらっ おじさん ウチなんかじゃぁ無くって 利勝君には もっと好い子がいるみたいよー」

「お お前なぁー 余計な事言ってないで 早く行けよー」と、追い出すようにされていたのだ。

 その後、水島家を訪れると、ばっちゃんとじっちゃんが待ちわびていたようで、磯巻とか穴子寿司を出してきてくれた。それで、市の広報誌よと

「これ! 実海ちゃん達でしょ? 10月に配布されたもの お正月のにも載っているわよ すごいネ!」

 と、私は初めて見るんだけど、そこには (中学生女子ラグビー 市内選抜チームが京都選抜チームとの練習試合に勝利)と私達全員が並んでいる写真が・・・その下に桜中学と第二中学のメンバーと。そして、お正月号には (中学生女子ラグビー 関西交流会で 市内の出口中、桜中、第二中の生徒が大活躍) の見出しに、大阪A代表チームの5人 大阪選抜チームの7人の写真と 朝陽がボールを持って飛ぶように走っている写真が・・・桜中のメンバーはラグビーの好きな生徒が集まって、未経験ながら活動して1年半。そして、4月に正式に部として認められて、今回の大阪選抜として選ばれるという快挙を成し遂げた 市のラグビー協会も期待を寄せているとか これからも、市民のみなさんで応援しましょう というコメント付きだった。

「あっ 朝陽 カッコいいー」

「ねぇ ねぇ ラグビーやり始めたって言っていたけど・・・もう大阪代表なの すごいわねー 絢ちゃんも このこと知ってるの?」

「どうだろー 別に 知らせて無いからー」

「あっ そうなのー じゃぁ コピーして送っておこうか こっちは宝物にしておくからね! 夏の試合って市営グラウンドだったんでしょ どうして 知らせてくれなかったのよー 応援に行ったのにーぃ 実海ちゃんは 私達の孫なんですからね もっと 交流しましょうよー」

「う~ん そーなんだけどなー ねぇ まわぁまんまーも この家によく遊びに来てたんですか?」

「ううん ほらっ 中学は別々のとこだったでしょ 図書館で時々 会ってたみたいだけど・・・そのうち すれ違うようなことがあったみたいね 高校の時には、全然会わなかったみたい でも お互いに忘れて無かったのよ 絢ちゃんが基司を追って同じ大学に行って・・・絢ちゃんは親御さんの猛反対を押し切ってネ あの子 初めて、親に反抗したって言ってたわ それまで、親の言うことには逆らわなかったんだって 二度目は、基司の後を追って 沖縄に行った時ね そんなだから、基司は今でも絢ちゃんのこと大切にしてるんだわよー」

「そーだったんだ 詳しく教えてもらってなかったからー・・・大恋愛だったんだー まわぁまんまーも やっぱり強かったんだねー」

「そうよ 最初 絵ばっかり描いている閉じこもった子って思ってたんだけど・・・勉強も頑張るし・・・芯が強いのね 実海ちゃんも お母さんの血筋かしら」

「う~ん どうだろう でも、みゅうみゅんが外で動き廻るんは まわぁまんまーの反動なのかなー」

「そうかもよー 神様も上手い事考えてるのかも ねぇ もっと 学校のこととかラグビーのこととかもお話に来てちょうだいよー 年寄二人っきりだと 何にも楽しいこと無いんだからー うちは 男の子だったから 女の子に可愛いお洋服も選んでみたいのよー お買い物にも、一緒に・・・」 
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