スポーツの神
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第三章
「台風から雨という恵もやりな」
「世にな」
「人の傍にいるが」
「戦いがスポーツになり」
「思うことはある」
「そういうことか」
「わしとしてはな、それでメキシコは今度ツバルとの試合だが」
ワールドカップの試合はというのだ。
「チーム力も采配もだ」
「メキシコの方が上か」
「それでわしの加護もあるからな」
だからだというのだ。
「勝つ、それで勝ったらな」
「それならか」
「捧げもののステーキをだ」
テスカトリポカは思わず舌なめずりをした、そのうえでの言葉だ。
「食う、ついでに言うとワインも捧げられた」
「ほう、ワインもか」
「お主とは過去色々あったが」
「今ではこうして話ス間柄だな」
「そうなっている、だからな」
「メキシコチームが勝ったらか」
「一緒にどうだ」
実に楽しそうに誘いをかけた。
「その時はな」
「共にステーキを食うか」
「ワインを飲みつつな」
「そうするか」
「お主もステーキやワインが好きだな」
「特にメキシコ風のステーキとメキシコ産のワインがな」
「そのどちらもだ」
「では喜んで一緒に飲んで食おう、しかし」
ここでケツアルコアトルはふと気付いたことがあった、それでテスカトリポカに対してその気付いたことを言った。
「我等が前に信仰されていた時はなかったな」
「ステーキもワインもか」
「しかし今は楽しんでいるな」
「美味いとな」
「世は変わる」
こうも言うのだった。
「常にな、それなら司るものもか」
「変わるか」
「そういうことだ、だからあれこれ思うのは当然あるが」
昔と違う、とだ。
「しかしそれが世の中でありだ」
「わし等が司るものか」
「神々のな、それを受け入れてな」
「司るものを万全に動かすことか」
「我等神々はな」
「そうすることか」
「そうだ、ではそうしたことも踏まえてな」
理解して受け入れてというのだ。
「そしてだ」
「スポーツを司ってか」
「ステーキを食ってワインを飲もう」
「それではな」
テスカトリポカもそれならと頷いた、そうしてだった。
ケツアルコアトルと共にメキシコ風ステーキを食いメキシコ産の赤ワインを飲んだ、そのうでメキシコチームのサッカーの試合を司った。試合は彼等が勝って神は感謝されてそのことを喜んだのだった。
スポーツの神 完
2023・12・11
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