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NOT CRAZY TO ME

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第一章

                NOT CRAZY TO ME
 驚いた、まさか大学を卒業して就職してからだ。
 中学生の子に告白されるとは思わなかった、私は塾で講師をしているが教えている生徒の一人に告白された。
 こんなお話もあると聞いたけれどまさか自分が当事者になるとは夢にも思っていなくて内心かなり戸惑っていたが何とか平静を装って彼に言った。
「私は先生だから」
「駄目ですか」
「貴方は生徒でしょ」
 如何にもこれまで恋愛を経験したことのないといった風の彼に言った。本当に冷静を装っているだけで内心乱れに乱れて慌てふためいていた。
「だからね」
「それじゃあ」
 彼は私が受け入れられないと言ったところで必死の顔で言ってきた。
「僕志望校に合格して卒業したら」
「この塾の生徒でもなくなるから?」
「その時でいいですか?高校生になって」
 その時にというのだ。
「また先生に告白したら」
「そうね」 
 言葉を何とどもらせて動揺を見せない様にして彼に答えた。
「その時はいいわ」
「わかりました、僕絶対に合格します」
「頑張ってね」
 正直私はこう返すだけで精一杯だった。彼が中学三年生つまり受験生であることも忘れていた位だった。
 それでだ、彼の告白の後で家に帰ってからお風呂に入って身体を洗ってから湯舟に入ったがまだ心は乱れていた。
 何とか落ち着けさせようとしても落ち着かない、それでだった。 
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