金木犀の許嫁
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六話 同居のはじまりその六
「今はです」
「本当に一瞬だったわね」
「気持ち的に」
「そうよね」
「それだけ気持ちがです」
まさにこれがというのだ。
「このお屋敷にです」
「向いていたのね、私達」
「こちらに戻ることを考えていて」
「私とお姉ちゃんは入ることを」
「そうです、それじゃあ」
「今からね」
「荷物をですね」
「私達のお部屋にね」
用意されているそこにというのだ。
「入れてね」
「それで、ですね」
「荷物出して」
「置いて」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「生活はじめましょう」
「わかりました」
「お酒はもう用意してあるから」
佐京は四人の生活をはじめるにあたっての宴の話をした。
「後はね」
「お寿司ね」
「夜に来るそうです」
佐京は真昼に答えた。
「そうですから」
「お寿司が来たら」
「引っ越し祝いと」
真昼と夜空のというのだ。
「一緒に暮らしはじめるお祝いの」
「パーティーね」
「それをはじめましょう」
「それじゃあ夜にまでね」
真昼は佐京に話した。
「私達は荷物をお部屋に入れてね」
「そうしてですね」
「ダンボールの中を出して置いて」
「そのうえで」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「暮らせる様にするわ」
「そうされますね」
「ええ、じゃあ荷物をね」
今からというのだった。
「お部屋に入れるわ」
「手伝いいます」
佐京はすぐに申し出た。
「これから」
「ええ、ただね」
真昼は佐京の申し出を受けつつこうも言った。
「荷物を出すのはね」
「ご自身でやられますか」
「それはね。プライベートなものもあるから」
荷物の中にはというのだ。
「だからね」
「それで、ですね」
「特に佐京君は男の子でしょ」
だからだというのだ。
「それなら。わかるわよね」
「はい」
佐京は一言で答えた。
「そういうことですね」
「私もね」
夜空も言ってきた。
「そこはね」
「うん、じゃあ俺は荷物を運ぶけれど」
「他のことはしないわね」
「そうするから」
こう夜空に答えた。
ページ上へ戻る