金木犀の許嫁
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第六話 同居のはじまりその一
第六話 同居のはじまり
夜空は真昼そして自分の両親と共に佐京と白華の両親が海外赴任に旅立つのを関西新空港で行った、その時にだ。
真昼は白華にそっと近寄ってそのうえで彼女に尋ねた。
「おじさんとおばさん何処に行くの?」
「あっ、お話していませんでしたか」
「聞いた記憶ないから」
「ニュージーランドですよ」
白華はすぐに教えた。
「あちらです」
「あのキーウィとムカシトカゲがいる」
「ムカシトカゲとはマニアックですね」
「けれどあそこにしかいないわよね」
「それはそうでしが」
「結構珍しい生きものとかUMA好きだから」
それでというのだ。
「興味あって」
「それでなのですね」
「ニュージーランドって聞いて」
そうしてというのだ。
「マオイ族の人達に羊もだけれど」
「というかまず羊が来ませんか?」
ニュージーランドとちうと、とだ。白華はこう返した。
「普通は」
「いや、今はね」
「鳥のキーウィとですか」
「ムカシトカゲなのよ」
「そうですか」
「それでマオリ族の人達に」
それにというのだ。
「羊に果物のキーウィね」
「そうなりますか」
「その国に行くのね」
「そうなのです」
白華は微笑んで答えた。
「父さんラグビーも観戦するって言ってます」
「あそこラグビーでも有名だしね」
「オールブラックスですね」
「ユニフォーム実際黒でね」
「試合の前に戦いの舞を踊りますね」
「あれがいいのよね」
「恰好いいですね」
真昼に微笑んだまま話した。
「逞しい大きな人達が叫びながら踊る姿は」
「そうよね」
「だから私もなのです」
「オールブラックス好きなのね」
「うちの工業科のラグビー部も好きですが」
「高等部のね」
「大学の。それに天理高校の」
この学校のというのだ。
「ラグビー部も好きです」
「あそこ強いから」
「それでユニフォームもいいですね」
「真っ白でね」
「天理高校は野球部は帽子が紫で」
「ラグビー部は本当に真っ白なのよね」
「あれが帝国海軍の軍服みたいで」
それでというのだ。
「余計に好きです」
「海上自衛隊もそうよね」
「私あの真っ白の詰襟大好きなんです」
「所謂白ランね」
「白ランはすぐに汚れが目立ちますが」
このことは事実だ、白い服はどうしても汚れが目立ちそれがネックになってしまっているのだ。
「ですが」
「それでも奇麗でね」
「恰好いいですから」
だからだというのだ。
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