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ゴリラは誰よりも優しい 

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第二章

「それで救助隊の人がロープを下ろしてきてレヴァンさんが目を覚ますと」
「それでも何もしなかったな」
「レヴァンさんが目を覚まして」  
 そうしてというのだ。
「自分達の姿に驚いたらその前を去りました」
「驚かれてもか」
「何もしないで」
「本当にゴリラだな」
 ホイットはその話を聞いて笑顔で述べた。
「暴力は振るわないのがな」
「何があってもですね」
「ああ、本当にな」
「それでレヴァンさんは救助されて大怪我だったので入院して」
 そうなってというのだ。
「入院中にジャンピが自分を見守ってくれていたことを聞いて」
「目を覚ました時は驚いてもか」
「ジャンピに心から感謝しました」
「それでゴリラはだな」
 銅像を見つつ職員に尋ねた。
「子供を助けた立派なゴリラとして」
「銅像になりました」
「そうなんだな」
「テープカットはレヴァンさんがしてくれて」
 助けられたその人がというのだ。
「そしてレヴァンさんは自分を助けてくれたレスキューの人ともです」
「会ったか」
「そうしました」
「いい話だな」
「そしてジャンピの孫や曾孫がです」
「ここにいるか」
「そうです、ご覧になられますね」
「ああ、今からな」 
 こう言ってだ、ホイットは。
 ゴリラのコーナーに行った、そしてそこにいる優しい生きもの達に声をかけた。
「お祖父さんひいお祖父さんは最高だったな」
「ウホッ」
 ゴリラ達はそう言われるとだった。
 気恥ずかしそうになった、ホイットはそんな彼等を目にして笑顔になった。そしてゴリラは本当にいい生きものだと思ったのだった。


ゴリラは誰よりも優しい   完


                  2024・2・24 
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