夢幻水滸伝
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第三百三十六話 アリゾナのカウボーイその五
「力持ってて法の統制が及ばんさかいな」
「だから危険なので」
「ホイットマン様もそうされますか」
「自警団を警察にされますか」
「法が及ぶ組織にしますか」
「力があってこそ法は守られて」
そうしてというのだ。
「力も法の統制があってや」
「確かなものとなる」
「そうですか」
「そや、法には強制力がないとあかん」
確かな声で言い切った。
「その強制力を為すのがや」
「力ですね」
「警察や軍隊ですね」
「そや、そしてそうした組織も法で統制されんとな」
どうなるか、ホイットマンは言うのだった。
「やりたい放題の暴力集団になるわ」
「賊と変わらないですね」
「まさに」
「警察は法の番人や、番人がまず法を守るんや」
そうするというのだ。
「そやからな」
「だからこそですね」
「力を持っているのならば法の統制を受けるべきなのですね」
「そやからな、この辺りは村になってるし」
それでというのだ。
「村長さんに話すわ」
「村の法の下に置く」
「そうしますか」
「ああ、おいらが法やない。人治やなくて法治や」
それで行うというのだ。
「それでいくで」
「わかりました」
「それではそうされて下さい」
オーナーも牧童もそれならと応えた、そうしてだった。
ホイットマンは実際に自分の下に入った者達を村長に話して村の法の下に置いた。当然彼自身も法の下に入った。
そうして村の区画全体の治安を守っていたが彼の家にまずはフェニックスの市長が来て言ってきた。
「この村だけでなくフェニックスもか」
「はい、治安だけでなく」
鰐人の女の市長はホイットマンに話した。
「政全体をです」
「やって欲しいんか」
「この村とフェニックスを一つの勢力とされ」
そうしてというのだ。
「治めてくれますか」
「おいらが勢力の棟梁になってか」
「そうして欲しいのですが」
「ほな村長とも話してな」
この村のというのだ。
「そのうえでな」
「お決めになってくれますか」
「そうするわ、まずはな」
「お話をですね」
「しよな」
ホイットマンは村長も呼んで三人で話すことにした、村長もそうしてくれといったのでそれで勢力を旗揚げして棟梁となった。
そしてだ、早速政をはじめたが。
「いや、かなりの善政でして」
「評判になっています」
オーナーと牧童が彼に話した。
「それで周辺の街や村でも評判になっていて」
「自分達もという声があがっています」
「そうか、ほなそうした街や村を迎えて」
そうしてとだ、ホイットマンは応えて言った。
「勢力を拡大させるわ」
「そしてです」
オーナーは自分達の言葉に頷いたホイットマンにさらに話した。
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