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義理チョコバレンタイン

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第一章

                義理チョコバレンタイン
 バレンタインとなった、だが八条電気大阪本社はこれといって騒ぎにはなっていなかった。むしろ何を今更という空気だった。
 社内のOL達は男子社員達に対してそれぞれスーパーで買ったと思われるチロルチョコや一切れずつ分かれている箱入りのチョコレートや麦チョコといったものを出してだった、そのうえで男子社員達に言った。
「はい、チョコレートですよ」
「皆さん一個か一粒ずつお願いしますね」
「お礼はマシュマロかキャンディ一個ずつでいいです」
「ホワイトデーはお願いしますね」
「わかってるよ」
 企画部長の前川佳典、大きな丸い目を持っていて四角い顔を持つ小柄で黒髪を左で分けている彼は部下のOL達にクールな目で応えた。
「じゃあ持ってくるね」
「人数分でいいですから」
「まあスーパーで売っているマシュマロかキャンディ一袋ですね」
「それで私達に一個ずつ行き渡りますから」
「宜しくお願いしますね」
「それじゃあね」
 前川は部下達の言葉に頷いてだった。
 そのうえで彼女達からの義理チョコをそれが出されている机までいってこれはというものを一個ずつ合わせて一ダース程貰ってだった。
 その日のお茶菓子にした、彼はコーヒー党であったのでチョコレートはコーヒーに合うからこのことはいいと思いつつチョコレートを楽しんだ。
 そして仕事から終わって家に帰るとだ。
 妻の可奈、優しい感じの大きな目と小さな唇、長いさらりとした黒髪を持つ小柄でスタイルのいい中年女性の彼女からだった。
 スーパーで売っている中で豪勢な方のチョコレートを貰った、そのうえで言われた。 
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