金木犀の許嫁
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第二話 相手から来たその八
「走ったり跳んだり泳いだりで」
「そうよね」
「手裏剣を投げたり剣術の修行若したりしますので」
だからだというのだ。
「本当にです」
「カロリー使うわね」
「ですから絶食なんてしたら」
それこそというのだ。
「もちません」
「そうよね」
夜空もそれはと頷いた。
「物凄く身体動かしてそれは」
「当家は薬の調合等はあまりしないですが」
「忍者ってそれもあるわね」
「煙玉も作りますし」
「手裏剣を並ぶお約束ね」
「真田家にお仕えする忍は」
「十勇士のお家は」
「それぞれのお家芸がありますが」
忍術のそれがというのだ。
「おおむね体術をです」
「使うものなの」
「筧家は少し違いますが」
「筧十蔵さんのお家ね」
「はい、ですがおおむねです」
またこう言うのだった。
「体術です」
「そちらが主なのね」
「そうですから」
「お薬の調合とかはそんなにで」
「絶食の修行がなくて」
今はというのだ。
「本当にです」
「よかったのね」
「心から思っています、一日三千キロカロリー消費するなら」
普通の人の消費分である。
「その分です」
「カロリー摂らないとね」
「そうですから」
「絶食はしないのね」
「その代わり好き嫌いなく」
そうしてというのだ。
「何でもです」
「食べないと駄目なの」
「毒のあるもの以外は」
「ゲテモノも?」
「そうですね」
こう夜空に答えた。
「蛙や蛇や蜥蜴や虫も」
「そうした生きものって」
夜空は白華の話を聞いてこう返した。
「別にまずくないのよね」
「ご存知ですか」
「だってうちの学校って世界中から人集まるから」
「色々な食べもののお話を聞いて」
「それでそうしたもの食べる国もね」
蛙や蛇、蜥蜴に虫をというのだ。
「聞くし日本だってね」
「色々食べますね」
「虫なら蝗とか蜂とか食べるし」
「正確には虫ではないですが蜘蛛も食べられるんですよ」
「そのお話も聞いたわ」
「ただ生ではです」
そのままではというのだ。
「やっぱりです」
「食べないことね」
「火を通すなりして」
そうしてというのだ。
「食べることです、夜空さんもご存知でしたか」
「それで別に気持ち悪いともね」
「思われないですか」
「私蛙とか鰐食べたことあるわよ」
白華にあっさりとした口調で答えた。
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