ドリトル先生とラーメン
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第十二幕その七
「僕もね」
「そうそう、お話してね」
「明日にでもね」
「日笠さんのところに行って」
「そのうえでね」
「そうするね」
先生も頷きました、そしてサラはご主人のところに戻ってそれからは先生はいつも通りの日常を過ごしました。
その翌日動物園で働いている日笠さんのところに行って今度ラーメン一座に二人で行きませんかとお誘いをかけると。
日笠さんはお顔をぱっと明るくさせてでした、こう言いました。
「はい、是非」
「一緒に行ってくれますか」
「それで何時行きますか?」
その明るいお顔で先生に尋ねて来ました。
「一体」
「日笠さんは何時がいいですか?」
「私ですか?今度は土曜日がお休みです」
「その日ですか」
「はい、今度の土曜日は」
先生に強い声で言うのでした。
「お休みです」
「僕もです。それじゃあ」
「土曜日に行きましょう」
「そうしましょう」
「あの十時にです」
日笠さんはさらに言いました。
「八条駅の時計台の前で待ち合わせしませんか」
「十時にですね」
「はい、あちらで」
「わかりました、では」
「宜しくお願いします。それで待ち合わせて」
さらに言う日笠さんでした。
「電車で、ですね」
「難波まで行きまして」
「そうしてですね」
「行きましょう」
そのラーメン一座にというのです。
「そうしましょう」
「そうですね、では」
「楽しみにしています」
物凄く嬉しそうに言う日笠さんでした、その日笠さんとやり取りをしてからです。
先生はご自身の研究室に戻りました、そのうえで紅茶を飲みながらぽつりとしてこんなことを言いました。
「いや、日笠さんの方が積極的だったね」
「やっぱりね」
「絶対にそうなると思ったよ」
「僕達から見てもね」
「間違いなくね」
日笠さんに言うのを見ていた皆も言います、先生のすぐ後ろでじっと見守っていたのです。まさにいつも通り。
「ああなると思ったよ」
「予想通りだったし」
「いや、もうね」
「先生が言えばね」
「日笠さんの方が動くって」
「いや、僕の方でね」
先生は次々に言う皆にどうかというお顔で言いました。
「色々決めさせてもらおうと思ったら」
「日笠さんの方がしてくれて」
「意外だっていうんだね」
「先生としては」
「かなりね、ああなるなんて」
それこそというのです。
「思わなかった、けれどね」
「お話は決まったよ」
「じゃあ先生行って来てね」
「日笠さんと二人でね」
「難波のラーメン一座行って来てね」
「そうさせてもらうね、しかしね」
先生はここでこうも言いました。
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