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ヘタリア学園

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第千三百十八話  オリンピックでは

第千三百十八話  オリンピックでは
 イタリアとのお付き合いも新しいです。そんな中でこんなお話があります。
 オリンピックを開催するにあたってです。日本の東京かイタリアのローマか、まさにこの二つの街のどちらかになりました。日本側としては絶対に自分達で開きたいものです。
「こうなったらイタリアの上司の人に御願いしてみよう」
 日本の上司の一人がこう決意しました。そのうえでその時のイタリアの上司に面会に行きました。あの親方、ムッソリーニにです。
 そして会いに行って言いました。是非共オリンピックの開催地を東京に譲って欲しいと。そう直訴したのです。
 イタリアの上司の人はその言葉を聞いてです。微笑んで答えたのでした。
「いいだろう」
「いいのですか?」
「貴殿のその真摯な態度に心打たれた」
 だからだというのです。
「だから喜んで譲ろう。素晴しいオリンピックにしてくれ」
「有り難うございます、それでは」
「貴殿の様な人材がいる国なら」
 イタリアの上司は日本の上司に対してさらに話します。
「必ずや素晴しいオリンピックにしてくれる。期待している」
「はい、何としても」
 こうしてオリンピックは東京で開かれることになりました。これは戦争前のお話です。
 日本はこのことを今でも覚えています。それでイタリアに対して感謝しています。
「あの時はどうも」
「いいよ、あの時のあの人が本当に素晴しかったんだから」
 イタリアは微笑んでこう返すだけです。二人のお話の中の一幕です。


第千三百十八話   完


                                    2010・3・30
 
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