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金木犀の許嫁

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第一話 お見合いその十

「知らない筈ないでしょ」
「神戸の冷えは」
「夜空ちゃんにしても」
 他ならぬ今話している相手もというのだ。
「冷えない様に」
「気をつけることね」
「神戸の寒さにはね」
「健康の為にも」
「健康が悪いと」
 それならというのだ。
「それだけで違うから」
「健康第一ね」
「元気がね」
 まさにそれがというのだ。
「だからね」
「健康の為にも」
「冷えないことよ、まあ暑い時はね」
 その時はというと。
「神戸でもね」
「熱中症には注意ね」
「けれど神戸だと」
「やっぱり寒さね」
「ここでもね」
 今自分達がいるその八条学園とではというのだ。
「私達が暮らしてる大阪とは違うでしょ」
「大阪は暑くて」
 そしてというのだ。
「電車でちょっと行った神戸はね」
「冬寒いし」
「そうしたことを頭に入れて」
 そのうえでというのだ。
「若しもね」
「冷えそうなら」
「そうして自分でね」
 厚着をしてというのだ。
「やっていかないとね」
「身体によくないのね」
「身体が冷えるのを甘く見たら」
 それこそというのだ。
「やっぱりね」
「よくないわね」
「ええ、だからね」
「ストッキング穿いて」
「あと靴下も」
 これもというのだ。
「ちゃんとね」
「履くことね」
「そうしてね。それでね」
 姉はさらに言った。
「セーターもマフラーもいいし」
「暖かいから」
「手袋だってね」
 これもというのだ。
「いいわよ」
「兎に角身体を冷やさないことね」
「神戸はね、気を付けてね」
「そうしていくわね」
「それじゃあね、あと温かいもの食べることね」
「そうそう、夜空ちゃん料理上手だから」
 妹のこのことについても話した。
「冬とかはね」
「暖かいものを作って」
「そうしてね」
「温まることね」
「そうしていってね。お風呂もいいしね」
「今度はお風呂ね」
「そうよ、シャワーで済ませたら」
 それで身体を奇麗にしただけではというのだ。 
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