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ヘタリア学園

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第千三百七話  最初に来た時

第千三百七話  最初に来た時
「まあ最初に日本のところに行ったんはポルトガルやったな」
「ザビエルさんですね」
 日本がスペインの言葉に対して応えます。
「あの時のことは忘れられません」
「鉄砲も伝わったんやったな」
「はい、そうです」
 その鉄砲が当時戦国の世だった日本をかなり変えました。その時日本は尾張だの仙台だのとそれぞれの人が互いに争う状況だったのです。
「特に織田信長さんがお好きでした」
「そやったな。それでキリスト教も伝わって」
 実際はこっちを伝えることが目的だったのです。けれど日本の上司の人達はどちらかというと貿易の方に興味がある人が多かったのです。
「色々なもんが伝わったんやったな」
「そうですね。それからスペインさんも来られて」
「俺その時めっちゃ羽振りよかったからな」
 今よりずっと羽振りがよかったのです。それこそ日の沈まぬ大国でした。
「それで来た時めっちゃ驚いたもんやで。こんな国あるんかいなって」
「そこまで驚かれたのですか」
「驚いたって。そんで日本のもんが色々伝わって」
「こちらも多くのものが伝わりました」
 お互いにそうだったのです。決して悪いお付き合いではなかったのです。
「思えば懐かしい時代ですね」
「ほんまやな」
 その時のことを思い出して懐かしい顔になる二人でした。彼等にとってはいい思い出でもある日々なのです。


第千三百七話   完


                                       2010・3・25
 
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