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夢幻水滸伝

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第三百三十二話 優勢なままでいる為にその十

「戦わん」
「そうされますね」
「戦うなら狙撃や」
 こちらで戦うというのだ。
「私の土俵で戦うわ」
「そうされますか」
「では、ですね」
「スタインベック様が来られても」
「一騎打ち等はされないですね」
「絶対な、というか私は一騎打ちは苦手や」
 自分のことをわかっての言葉であった。
「スナイパーで一騎打ちなんてな」
「大抵一騎打ちは近接武器を用いて行われます」
「若しくは拳です」
「そうしたものですから」
「銃や弓を用いるスナイパーでは不向きですね」
「まさに水と油や」 
 エリカはこうも言った。
「正直東のエミリーちゃん以上にや」
「一騎打ちは苦手ですね」
「あの方はアサシンですが」
「アサシンは一騎打ちも出来ますね」
「そうしようと思えば」
「そや、挌闘も出来るさかいな」
 だからだというのだ。
「アサシンは一騎打ちも出来るけれどな」
「それでもですね」
「スナイパーとなりますと」
「それで、ですね」
「この度は、ですね」
「スタインベックちゃんとはぶつからん」
 その彼とは、というのだ。
「実際近接戦大得意やしな」
「ダグダの棍棒を縦横に振り回されるとか」
「そして敵をまとめて吹き飛ばすそうですね」
「剛力と快速を兼ね備えておられるとか」
「その勢いたるや巨石が地面を駆け回っている様だとか」
「そんなのと一騎打ちしたら」
 自分がとだ、エリカは難しい顔で話した。そのうえでグミを口に入れて嚙みながらそのうえでまた言った。
「負けるに決まってる、そやから自分等もな」
「あの方とはぶつからない」
「決してですね」
「そうすることですね」
「ぶつかったら死ぬで」 
 その時はというのだ。
「それこそ走ってる自動車の車輪に当たった小石みたいにや」
「吹き飛ばされるか踏み潰される」
「そうなりますね」
「そや、それでスタインベックちゃんとは距離を取って守りを固めてな」
「そのうえで戦う」
「向かうことなく」
「そうしていきますか」
「そうするで、しかし私がスタインベックちゃん抑えて」
 そうしてとだ、エリカは将兵達に難しい顔で言った。グミはまだ口の中にある。
「そしてオニール君がミニーちゃんと対してるけどな」
「星の格が同じですね」
「そうした組み合わせですね」
「そうなっていますね」
「軍の数と装備はこっちがかなり優勢やけどな」
 それでもというのだ。
「星のモンの格式ではな」
「どうしてもですね」
「互角であって」
「決め手に欠けますね」
「そや、それでソルトレークシチーでの戦は」
 この街及び周辺のそれはというのだ。 
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