| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

金木犀の許嫁

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第一話 お見合いその五

「真昼も征服でね」
「そうするわね」
「じゃあ一家でね」
 全員でというのだ。
「行くわよ」
「そういうことで」
「決まりね」
 夜空も真昼も応えた、こうして夜空のお見合いの話が決まった。その夜はこれで終わったがその翌日だった。
 学校の正門に来たところでだ、夜空はばったりとだった。
 姉に出会った、丁度部活の朝練の時だったが。
「お見合いのこと考えてる?」
「やっぱりね」
 姉にすぐに答えた。
「登校中ずっとね」
「そうよね、また昨日はいきなりだったから」
「そのお話されたから」
 だからだと姉に話した、上下緑のジャージ姿の彼女に。
「それでね」
「そうよね」
「うん、ちょっとね」
「まあそこはね」
 姉は妹を気遣って声をかけた。
「夜空ちゃんも受けるって言ったし」
「腹を括る?」
「まあ一回でもね」
「合うといいの」
「同じ学年でしょ」
 妹にこのことを言うのだった。
「だったらね」
「会って」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「事前にお話してもね」
「いいかしら」
「そうじゃないかしら」
「同じ学年だから」
「クラスわかってるわよね」
「ええ」
 夜空はそれはと答えた。
「もうね」
「それならね」
「一度なの」
「お話してみたら?」
 その彼と、というのだ。
「本当にね」
「それでどんな人か」
「事前にね。それかね」
 姉はさらに話した。
「彼の周りの人にね」
「お話聞くのね」
「どんな人かね。お友達いるでしょ」
 夜空にこうも言った。
「彼のクラスに」
「私のお友達ね」
「だったらね」
「その娘からなのね」
「彼がどんな人かね」
「お話を聞くのね」
「同じ普通科の二年生だし」 
 それならというのだ。
「情報収集も楽でしょ」
「それはね」
 夜空も否定しなかった。
「やっぱりね」
「地の利っていうか」
「情報を集めやすいなら」
「それならね」
「聞くことね」
「ぶっつけ本番でお見合いして」
 そのうえでというのだ。
「いきなり同居するよりもね」
「その前にお話を聞いて」
「それでね」
「お見合いして同居ね」
「私もするし」
 自分もというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧