わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ
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11-4
新年の初練習は、メンバーが揃って、紅林先生も参加してくれていた。ジョギングから始めて、柔軟体操の後はダッシュを繰り返して、その後、私と泉希が昨日 練ったフォーメーションの説明を皆にしていた。作戦は1~5まであって、それぞれの合図を作戦1は美玖、2は栞奈という風に背番号順にそれぞれの名前を叫ぶのをサインに決めていた。
その後は、そのフォーメーションを練習していて、11時頃、トラックのグラウンドに向かった。サッカー部の連中は3人組以外に1年生の2人が相手をしてくれることになったみたい。ウチの美鈴と鈴花以外は身体を押さえるだけで、タックルは禁止でという約束で始めたのだ。
フォワードには重光君と1年生の2人が、一応、軽くスクラムを組むという形で、そして、ハーフにはたっ君、スタンドオフには颯君が立って、センターに美鈴、ウィングは鈴花が立って居た。私と泉希の間は少し深いめの位置で、泉希と璃々の間はやや狭く、そして朝陽との間は長いめに取っていた。あれから、私達で考えて、泉希と璃々は色々と仕掛けるから、朝陽にはスペースを取って自由に走らそうというもくろみだった。
最初は普通にパスを廻していて、朝陽までつながった時には、彼女は右に飛んだり左に切り返したりして、快速をとばしてすり抜けていた。だけど、璃々が美鈴にタッシルされている時もあった。そして、何回目かの時、たっ君が私に覆いかぶさってきて、パスをした後、そのまま倒されてしまっていた。しばらく、どこうともしないで、上に乗っかったまま そのままで・・・
「なぁ はよーぉ どいてよー」
「あっ ずっと 押さえとかなきゃーダメなんかと思って」
「そんなわけなんヤン 知ってるくせにー」
「おーおー 帯士 作戦成功やなー」と、その時、重光くんが
「もぉーおぅ そんなん 反則やー」と、私は立ち上がったたっ君のお尻を思いっきり叩いていた。こんなとこで被さってこられてもなぁーと
その後、私は泉希に「いくでー 美玖」と合図をして、出たボールを私が斜めに相手のスタンドの颯君を目掛けて走って、泉希を飛ばして璃々にパス、そして、廻り込んだ泉希に短めのパスを・・・泉希は走りぬけて、相手のウイングが近づくと朝陽にパスを・・・朝陽は悠々と走り抜けていた。
その後も1~5のサンイプレーを確認して、今度は、フォワードの3人が相手チームになってやってみたら、璃々が美玖に掴まることが多くて、この時にどれだけフォローに入れるかとかわかったのだ。そして、美玖のタックルも強烈なのも・・。
「いやー 短期間の間に すごいなぁー ここまで 出来るとは・・ まぁ ウチの連中も怪我しなくて良かったよー みんな本気でぶつかってくるんだものなー なぁ みんな」
「そうそう 桜なんか 危険だよー ヘッドギァしてるからって、お構い無しでな こっちが怖い」
次の日、先に学校に集合して、軽く練習をしてから、上からジャージを着て、皆で向こうに向かった。バスに乗って、電車で1駅、そこから歩いて15分程の所。グランドには20人程の生徒が走っていた。その中に女の子が2人。
「やぁー 始めまして 監督をしている大原野です」と、紅林先生に挨拶をしてきた。先生と璃々だけ自己紹介をして、後、15分程で男子の練習が終わると言うので、その間に私達は横でパスをしながらのジョギングをしていて、グラウンドに入った時、最初に私達のラインを作ってのパス廻しから始めた。この時は、美鈴と鈴花も交代で入っていたのだ。そして、泉希はやや浅めに位置していた。早く、朝陽までボールを廻す為だった。
そして、相手のフォワードに男の子3人、レギュラーの2年生だと言っていた。スクラムは組むけど、タックルは禁止で、ハーフとスタンドオフに向こうの充ちる、繭子が、センターとウイングは美鈴と鈴花が立って、試合形式で練習することになった。
最初は、泉希が掴まったり、璃々がフォワードの男の子達に掴まったりで、朝陽までボールが渡らなかったのが、私とか泉希がなんとか璃々から逆パスをもらう様に走って、朝陽に繋いだりして何とか突破していた。
そして、最初の合図を泉希に送って、泉希はだんだんと深い位置に変えていて、「桜でいくよ」と、泉希にパスが渡った時に璃々とラックを組むように突進して行って、フォワードが集まった時に、出たボールを私は低いキックでウィングの後ろ目掛けて・・・朝陽が走って突破していたのだ。
それからも、1~5のサインを実行して攻めていたのだ。そして、攻守が変わった後も、泉希と璃々は着実にタックルを決めていた。
「いや いや ビックリですよ ウチの子に聞いていたけど、まだ半年程でしょ どうして ここまでになるカナー 1年2年生でしょ? それも、9人居るんだぁー 今年 すごいことになるでしょうネ 単独チームでここまでやるんなら 大阪代表とも渡り合える可能性ありますネ」と、終わった後、大原野監督が
「いやまだまだですよー タックルとかボールを奪い返すことなんか、練習してないですから 実践的なことは・・」
「いやいや 皆が走るの速いですよねー 特に、ウィングの子 スワーブとかステップジャンプを使ってくるし、走り出しが速いんだ 中学生ではなかなかいないですよ スクラムハーフの子もそうだ フォローも速いし、切り返した後のダッシュがすごい サインプレーなんかにもやられてしまった ウチの男子たちも驚いていた 実は、ウチの子二人もなかなか実戦の機会がなくってネ 男子と一緒にやってるんだがー 二中にも大阪代表の子が居るんですよ だから、桜中の話を聞いてネ この地域だけのチームを組めないかと思ってたんですよ だけど、おたく単独でも立派なもんですよ 早く、正式に協会に登録したほうがいいですよ」
「はぁー でも まだ 学校には、クラブとして認められてませんから・・ 急にここまでになってしまったから 今日も彼女達は個人の意思で来てるんです。僕も・・ 実は、僕も 正式な顧問で監督でも 何でもないんですよ ただ なりゆきで・・だから、怪我さえしなければって見てたんですよ」
「監督 帰るよっ! 充ちる、繭子ちゃんも時々 ウチに来て練習するってー」と、私は紅林先生の腕を引っ張りにいったのだ。
「監督って呼ぶな! だからー 僕は ただの付き添いだってばー」
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