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新オズの臆病ライオン

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第十幕その三

「そうだったら悪いことしたわね」
「あっ、別にね」
「気にしてなかったからね」
「いいよ」 
 トトだけでなく臆病ライオンと腹ペコタイガーも言いました。
「僕達は毛皮が服だからね」
「そうだしね」
「気にしなくていいよ」
「そういえばそうだね」
 神宝は三匹の言葉に頷きました。
「生きものの服っていうと」
「毛皮よね」
 ナターシャも言いました。
「鱗とかね」
「そうしたものが服になるわね」
 恵梨香も言いました。
「人間以外の生きものは」
「そこからさらに服を着たりするけれど」  
 ジョージはこの場合について思いました。
「これって重ね着だね」
「そういえば臆病ライオンさん達を裸って思ったことないよ」 
 カルロスはこのことに気付きました。
「言われてみると」
「僕達も裸って思ったことないよ」
 臆病ライオンも言ってきました。
「別にね」
「そうだよね」
「僕達もそう思わないし」
「毛皮が服だって思うよ」
「裸って思ったことはないわ」
「いつも服を着ているってね」
「そうだよ、着替える必要のない服だよ」
 臆病ライオンはこうも言いました。
「僕達の服はね」
「そうよね。そう考えるといいわよね」 
 ドロシーは臆病ライオンの言葉に笑顔で頷きました。
「生きものの毛皮や鱗や羽毛は」
「そうだね」
「人間だとね」
 ドロシーは自分達のこともお話しました。
「これがね」
「また違うね」
「だって毛も鱗も羽毛もないから」
 だからだというのです。
「それでよ」
「裸に感じるね」
「ええ、それでよ」
「服を着るね」
「服を着ないと寒かったりするし」
「恥ずかしいしね」
「お洒落もね」
 こちらもというのです。
「出来ないから」
「皆服を着るね」
「そして服はね」
 これはといいますと。
「とても大事な文化でもあるのよ」
「そうだね、服もね」 
 臆病ライオンもそれはと答えました。
「立派なそしてとても大事な」
「文化ね」
「そうだね」
「それで私も服は好きで」 
 それでというのです。
「お洒落をしてね」
「楽しんでるね」
「動きやすくて」
 ドロシーは自分の服の好みのお話もしました。
「露出の高くない」
「ドロシーの好きな服ってそうだね」
「膝を覆う位の丈のスカートで」
 そうしてというのです。 
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