わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ
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10-4
朝陽がみんなに、出口中の二人が練習見に来たいってどうするって、聞いてきて、 まぁ 見に来るくらいええんちゃう? アドバイスももらえるかわからんでー と、賛成していた。
12月初めの土曜日、彼女達はやってきて
「改めまして 神戸充ちる です」
「芝野繭子です よろしくお願いします」と、自己紹介の後、みんなも名乗って、私達は練習を始めた。
そして、フォワードからボールを出して、ラインに回しして、追いかけって行って、又、出してという練習をしていた。センターには美鈴が入って、璃々と鈴花は相手に入って押さえて行くといった具合だ。もちろんタックルは恰好だけにしていた。
すると、それまで見ていた彼女等二人が璃々に
「なぁ ウチ等も一緒に走ってええやろか」と、ジャージの下の練習着を見せていた。
「どうしょうかなー 練習ってなると許可取ってへんしなぁー」と、璃々が躊躇していると。桜が
「ええやん 一緒にやろぉー その代わり、ウチ等 先生がおらへんとこでは、タックル禁止されてるからなっ!」
と、言う訳で相手のスクラムハーフとスタンドオフの位置に着いてもらったのだ。私達は、今まで、練習してきたことも、色々と試してみたのだ。私が出たボールを持ったまま右に流れて、逆に走り込んでくる泉希にパスをして逆サイドを攻めていくのとか、泉希が朝陽に向かってパントパスするのとか、多彩だった。あの講習会の後、みんなで考えたのだ。
そして、慣れてくると、フォワードの3人が今度は相手チームになって、向こうが攻めてきたりした。向こうのハーフの繭子って子は、私の後ろにパントを上げてきたり、スタンドにパスをしたかと思うと、直ぐに横に着いて行って短いパスを戻してもらって突進したりとか、やっぱり色んなことをしてきていた。それに、センターの璃々と打ち合わせをして、スタンドの充ちるをとばしたパスとかもしてきていた。
「なっ なんか すごく いい感じネ さすがに うまい人が入ってくれると、練習が締まるわー」と、小休止の間に言うと
「うまくないわよー それより みんな 始めて半年ほどでしょ? すごいんでびっくりしちゃった サインプレーもちゃんと出来てるし バックスはみんな足が速いのネ 特に、ウイングの朝陽さん ステップもできて、切り返しのダッシュがすごいわ」と、充ちるさんが話していると
「君達 遠くから見ていると、ちゃんとラグビーになっているなー 頑張ってると言いたいけど どうも うちの学校じゃぁないみたいなメンバーが居るな まぁ 成り行きなんだろうけど・・・ 僕は、見て無かったことにする 今から 帰る 知らんぞー 見て無かったんだからな!」門田先生だ。サッカーの練習に来ていたのだろう。
「うふっ 迷惑かかるとアカンから ウチ等 もう見学にするわー」と、充つるさんが言ってきて、その後は見ているだけだった。そして、帰る時
「あんた等 すごいわぁー 多分 試合しても ええ線行くでー まだ、1年生が多いから体格差あるけど あんた等スピードあるもんなぁー なぁ 今度は、ウチの学校にきーひん? 監督にゆうてみるわー ここ ちょっと狭いやんかぁー ちゃんとしたグラウンドでやったほうが・・・ ウチ等も女の子同士の方がええねん 監督にも見てもらった方が上達するでー」
「うん 考えとく そやけど ウチ等 まだ 正式なクラブって認められてへんねー 先生も どう 言うやろー」
と、彼女たちは帰って行った。次の週、紅林先生に報告すると
「そうか そろそろ 対外交流も必要かなとは思っているんだが・・・」と、結論は言ってくれなかった。だけど、練習でタックルバックを持ち出してきて
「みんな ぶつかる前に背中向けてるんだよー ぶつかっていって前に出てから後ろに繋ぐことを考えろ!」と、これまでよりも、激しいことを要求してきて
「相手が来たら、前傾姿勢だよ! 身体が起きてるからタックルされると怪我をするんだ」と、自分で手本を見せながら指導していたのだ。先生もだんだんと熱くなってきているのを感じていた。
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