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X ーthe another storyー

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第五十話 死守その四

「それだけよ」
「わからへん、何が何か」
 さしもの空汰も事態を呑み込めずこう言った。
「急にこうなるなんて」
「本当にどういうことだ」
 封真も戸惑いを隠せないでいる。
「これは」
「お前と同じというが」
「そんな筈がない、彼女は天の龍だ」
 こう神威に答えた。
「地の龍はあくまでだ」
「お前の仲間達だな」
「彼女は天の龍だ」
「そうだ、それなのに何故」
「詳しい話は後で」
 ここで丁が言ってきた。
「よかったです、もう一人の私が出なくて」
「もう一人だと?」
「はい」
 そうだというのだ。
「ですがそのお話は」
「後か」
「皆さんは何とか彼女を止めて下さい」 
 嵐をというのだ。
「わらわが邪な気を出しますので」
「嵐を支配しているか」
「そうしますので」
 だからだというのだ。
「お願い出来ますか」
「とりあえずだな」
 神威は丁に問うた。
「動きを止めればいいな」
「はい」
 丁は答えた。
「左様です」
「わかった、ほなや」
 空汰も丁の言葉を聞いていて応えた。
「これからや」
「わらわの言う通りにですね」
「嬢ちゃんの動きを止めるわ」 
 こう答えた。
「そうするわ」
「ではお願いします」
「手伝うぞ」 
 封真も申し出た。
「そちらの夢見の人の話は聞いた、それならな」
「いや、いい」
 神威は封真の申し出を退けた。
「俺達のことだ」
「だからか」
「お前はそこで見ていてくて」
 こう言うのだった。
「そうしてくれ」
「天の龍で何とかするか」
「天の龍のことだからな」
「彼女は天の龍か」
「そうだ」
 返事は一言だった。
「紛れもなくな」
「そう言うか、それならだ」
 封真もそれならと応えた。
「俺は動かない」
「見ていてくれるな」
「そうする」 
 このことを約束した。
「ここでな」
「頼む、ではな」
「彼女を止めるな」
「そうする、空汰俺がやる」
 神威は空汰に告げた。
「今のお前は傷が完治していない」
「そやからか」
「戦うな」 
 ここでもこう言うのだった。
「いいな」
「わかったわ」
 空汰も応えた。
「ほなな」
「では行く」
「ああ、頼むで」
「本当にいいんだな」
 封真は神威にあらためて確認の言葉を出した。 
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