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キチママ泥ママ汚嫁軍団

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第六章

「それをずっとやってたし」
「骨も歯もなのね」
「今も始終幻覚見るそうだし」
「覚醒剤止めても」
「それでもね、もう兎に角ね」
「身体ボロボロなのね」
「だからね」
 その為にというのだ。
「もうね」
「長くないのね」
「そうみたいだよ」
「まだ六十にもなってないのに」
「どうもね」
「何かね」
 妻はここまで聞いて言った。
「とんでもない人はいるけれど」
「そんなに多くないのが現実で」
「お話は創作が殆どで」
 真樹が話したことを思い出しながら述べた。
「それであそこまで酷いと末路は」
「叔父さんみたいにね」
「碌なものじゃないわね」
「うん、親戚皆言ってるよ」
 妻にどうかという顔で話した。
「全部自業自得だってね」
「和博さんがそうなったことは」
「女遊びで梅毒にもなってるそうだし」
「梅毒って」
「だから隔離されて」
 感染症であるのでそうされるのだ。
「誰もお見舞いにね」
「行かないのね」
「それもほったらかしにしていたらしくて」
 梅毒に感染していてもというのだ。
「病院嫌いで」
「梅毒放っておいたら」
「かなり危ないよね」
「死ぬわよ」
 妻は真っ青になって答えた。
「それもかなり酷くね」
「お鼻が落ちたり身体中に瘡蓋出来たり」
「斑点とかね」
「耳も聞こえなくなったり」
 実はベートーベンの耳の異変は梅毒が原因だったという説があるのだ、解剖すると耳管がかなり狭まっていたらしい。
「頭がおかしくなってね」
「亡くなるのよね」
「その梅毒も進行していて。離婚の後感染したらしいけれど」
「遊んだ結果ね」
「隔離されて多分そのままね」
「亡くなるのね」
「そうなるよ」
 妻に話した。
「どうもね」
「そうなのね」
「いや、とんでもない人の末路は」
 夫はご飯を食べつつどうにもという顔で話した。
「えてしてね」
「そうしたものよね」
「うん、いいものにはね」
 そうしたものにはというのだ。
「ならないよ」
「そうよね、本当に」
「叔父さんは半グレみたいな人で」
 そうであってというのだ。
「碌なことしてこなかったけれど」
「自業自得の結末ね」
「全てはね」
 こう言うのだった、そして。
 間もなく彼は死んだ、恵子はそのことを夫から聞いて言った。
「創作の中のキチママとか泥ママとか汚嫁と同じで」
「末路は無残だね」
「ええ、そうならない様にしたいわね」
「全くだね」
 夫もその通りだと答えた。
「今度子供も生まれるし」
「子供にもね」
「そんな人生を歩まない様に」
「ちゃんと育てていきましょう」
「二人でね」 
 こうしたことを話してだった、夫婦で恵子のお腹を見た。そのお腹はかなり大きくなっていて幸せと未来がそこにあった。


キチママ泥ママ汚嫁軍団   完


                     2023・12・29 
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