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夢幻水滸伝

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第三百二十九話 ダイナマイト王その四

「ですから」
「そちらの会合にも顔を出して」
「ひいては経済界の」
「そうしていくことですか」
「それでご意見を聞かせて下さい」
「そうですか、しかし一作業員から総監督になって」
 神妙な顔になってだ、オニールは社長に話した。
「そしてです」
「経営とかのことも話をするとはですか」
「物凄い出世になりますね」
「ですから星の方はです」
 社長はまたオニールにこう話した。
「この世界を救われますね」
「そやからですか」
「それ位でもです」
「小さいですか」
「そう思いますが」
「いや、おいら何か自分をあまりです」
 オニールはここで自分が思う自分自身のことを話した。
「大きいとはです」
「思っておられないですか」
「一労働者として」
 それでというのだ。
「思う存分働いて衣食住で満足出来たら」
「それでこの世界を救えますか」
「無理ですね」
 このことはすぐにわかった。
「やっぱり」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「これからはです」
「そうした場所にですか」
「出席して下さい」
「ほな総監督をしながら」
「はい、宜しくお願いします」
「そうさせてもらいます」
 自分の柄ではないと思いつつだ。
 オニールはそうした会合にも出席して発言を求められ発言をする様になった、その発言が常に的を得ていてだ。
 それでだ、彼はやがてだ。
「経済界だけでなくです」
「州のあちこちの組織からですね」
「お話がです」
「来ていますか」
「オニール様のお名前は州全体に知れ渡っています」
「いや、隠すつもりはなかったですが」
 それでもとだ、オニールは一緒に食事をする社長から言われ声をあげた。昼食を食べていてスパゲティボロネーゼとボリュームのあるピザを食べつつ話している。
「州全体にですか」
「鉱山でのご活躍からはじまって」
 そうしてというのだ。
「それからです」
「さらにですね」
「様々な会合でのご発言もありまして」
「そちらもですか」
「常に的確な、いえ」
 社長はピザを食べつつ言った、レストランで二人で食べている。
「それ以上に素晴らしい」
「そうした発言ですか」
「我々が考えるより遥かにいい経営や雇用のやり方を言われ」
 そしてというのだ。
「実践出来るものばかりなので」
「いや、おいらあれですよ」
 オニールもピザを食べつつ話した。
「ただ思ったことをです」
「仰られただけですか」
「それだけですよ」
 こう言うのだった。
「ほんまに」
「そうなのですか」
「はい、大事なことはです」  
 そうしたものはというのだ。 
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