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X ーthe another storyー

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第四十九話 合鏡その四

「だからね」
「そやからか」
「歩ける様になって」
「完治してもか」
「焦ることはないわ」
「戦いに戻らんでもええか」
「私と神威に任せて」
 こう言うのだった。
「いいわね」
「ほなな」
 それでというのだ。
「任せるな」
「ええ、それで今度戦う場所は」
 それの話にもなった。
「姫様に言われたわ」
「何処や」
「井の頭公園よ」
 こちらだというのだ。
「そこに行って」
「封真と戦うんやな」
「そうなるわ」
「そうか、ほなな」
「戦いの時になれば」 
 その時が来ればというのだ。
「行って来るわ」
「あんじょうな。
「それではね」 
 空汰とも話してだった。
 嵐は出陣の準備もしていった、その中で。
 丁はもう一人の自分にだ、こう言われた。
「わらわはこれよりな」
「わらわとですか」
「一旦別れる、そなた共にいる限り」
「止めます」 
 これが丁の返事だった。
「何があろうとも」
「そう言って実際にじゃ」
「そうするので」
「だからじゃ」
 それ故にというのだ。
「暫しの間とはいえ」
「わらわと別れ」
「そうしてじゃ」
 そのうえでというのだ。
「動く、身体はなくともな」
「それでも」
「離れてじゃ」
 そうしてというのだ。
「動く」
「わらわが止めます」
 静かだが何としてもという口調でだ、丁はもう一人の自分に言葉を返した。
「何としても」
「やはりそうするか、しかし」
「今貴女はわらわを飲みこもうとしている」
「そうなっておるぞ」
「本来のわらわの力を超えて」
「だからこそ時折じゃ」
 悪意のある笑みと共に言った。
「この様にな」
「出て来ますね」
「こうしてそなたと話すに留まらず」
「力も出す」
「そなたが止めようとも一瞬でよい」
 それでというのだ。
「必ずじゃ」
「わらわから出て」
「力を使うとしよう」
「そうしてですか」
「そこから世界も人間も滅ぼす」
 その全てをというのだ。 
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