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おぢばにおかえり

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第七十八話 教会長さんその二十

「普通に生きてきたこと後悔させてやるとか言いますし」
「残忍って言うけれど」
「凄いですよ」
「私も人のこと言えないけれどね」
 先輩は俯いて言われました。
「残酷だから」
「かんろだいの前のことですか?」
「校門でもね」
 こちらでもというのです。
「したから」
「そのことずっと気にかけておられるんですね」
「私がしたことだから」
 この時も俯いて悲しいお顔で言われました。
「だからね」
「そう言われますか」
「ええ、もう絶対にしないけれど」
 それでもというのです。
「私が凄く残酷な人間だということはね」
「自覚しておられるんですね」
「凄くね」
 そうだというのです。
「嫌になる位にね」
「それで新一君のこともですか」
「言えないわ」
「そうですか。けれど先輩は自覚されて」
 私が見る先輩は残酷さとは全く無縁な人ですが。
「ご自身で何とかされようとされていますね」
「この残酷な癖性分何とかしたいわ」
「そう思われて行動されているなら」
 それならです。
「いいと思います」
「ちっちはそう言ってくれるのね」
「新一君は自覚して、ですよ」
 それなのにです。
「ああしてです」
「あらためないっていうのね」
「自覚がないよりもです」
 自覚があってなおさないことはです。
「よくないですよね」
「それはね」
「ですから」
 先輩にお話しました。 
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