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シマリスのお礼

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第一章

 ブレンダは近所に住む主婦のシェンリー=ワン中国系で最近親しくなった彼女に話すと彼女もだった。
「私もなのよ」
「まさか」
「そのまさかよ。丁度時間だから来て」
 こう言ってブレンダを自宅の庭に案内してだった。
 そのうえで庭の木の傍に来て言った。
「ご飯よ」
「キキッ」
 すぐに木の上の方の穴から耳の長いキタリスが出て来た、そしてだった。
 栗鼠はシェンリーがしゃがんだうえで掌に置いたナッツのところに来たが口の中に持って来た木の葉をナッツの横に置いた、それからナッツを食べはじめた。
「この通りね」
「栗鼠がお礼くれるのね」
「そうなの、栗鼠もね」
「いつもご飯をあげたら」
「感謝してね」
 そうしてというのだ。
「お礼をくれるのよ」
「そうしてくれるのね」
「ええ、貴女のお家の子達もそうでね」
「この子もそうね」
「感謝してもらってるなら」
「それに応えたくなるわね」
 ブレンダは笑顔で言った。
「そうなら」
「そうよね」
「じゃあ私もお家に帰ったら」
「その子達にご飯あげるのね」
「そうするわ」 
 笑顔のままの言葉だった、そしてだった。
 実際に家に帰ると三匹の栗鼠達にご飯をあげた、するとブレンダの手にも木の葉が来た。三匹分のそれを見て彼女はまた笑顔になった。


シマリスのお礼   完


                 2023・12・21 
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