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仮面ライダーキバ 目に見えないつながり

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第四十六章

「これがここでの私の姿だ」
「ファンガイア、そしてレジェンドルガの支配者としての」
「そうだ。両者の王」
 こうだと紅を見下ろしつつ誇らしげに話すのだった。
「それが今の私だ。ディカステスだ」
「ディカステス!?」
「確かそれって」
 キバットとタツロットはその名からあることを思い出したのだった。それは。
「ギリシア語で裁判官って意味だな」
「そうですね、確か」
「その通りだ。私は裁判官だ」
 その禍々しい姿で立ちつつの言葉であった。
「人を裁くな」
「貴方が人を裁く」
「そうだ。私の相手になるかどうかを見極める為にな」
「何だ!?じゃあ裁判官じゃない裁判官かよ」
「人を見極めるのが裁くことなんて」
 キバットとタツロットは今のスサノオの言葉の意味がよくわからなかった。
「何だよ、それってつまり自分が法律ってことかよ」
「何か随分と勝手ですね」
「勝手かどうかはどうでもいいことだ」
 そもそもスサノオはそういう倫理には生きていない存在であるのだった。
「私はこの永遠の時間を生きているうちに人間が、そして君達が何処まで私と闘えるのか、苦難を潜り抜けられるのか見ていたくなったのだからな」
「それはもう答えは出ている筈だ」
 紅はその彼を見上げつつ告げた。
「貴方はここでは僕が倒す」
「キバがか」
「そう、人間としての僕が」
 彼に対しても自分は人間だと告げる紅だった。
「倒す、必ず!」
「面白い。では見せてもらおう」
 スサノオは悠然とした態度で玉座の前の階段から降りながら述べてきた。
「その人間の強さをな」
「来たぜ、渡」
「遂にスサノオが」
「わかってるよ」
 紅は剣を構えなおしたうえで彼等に答える。
「ここで何があっても僕は」
「安心しろ」
 しかしだった。ここで不意に部屋の中にキバット二世が飛んできたのだった。そうして紅の周りを飛びながらそのうえで彼に声をかけてきたのだった。
「御前だけの戦いではない」
「親父、何でここに!?」
「用があるから来た」
 息子に対しては素っ気無い返しだった。
「ただそれだけだ」
「用って何なんだよ」
「俺もまたここで闘う為に来た」 
 彼は言うのだった。
「ここにな」
「闘う為!?」
 タツロットは今の二世の言葉を受けてまた驚きの声をあげた。
「けれどもう渡さんには僕とキバットさんが」
「御前達には関係ない」
 二世の言葉はこれまた彼等にとっては意味のわからないものだった。それでまた二世に対して言い返した。
「関係ないって何がなんだよ」
「そうですよ。さっぱり意味がわからないですけれど」
「すぐにわかる」
 しかしここでまた言う二世だった。
「俺は今からダークキバになるのだからな」
「ダークキバにって」
「よく見ておけ」
 今度は紅に対して返した言葉だった。その言葉と共に紅の腰の高さに舞い降りると。すぐにそこからダークキバの鎧が浮かび出て彼はその腰に位置していた。
「えっ、どういうこと!?これって」
「簡単なことだ」
 しかもであった。次の言葉は二世のものではなかった。
「俺が再びダークキバになっただけだ」
「ダークキバにって」
「そんな、あんたはあの時に」
「そうですよ」
 キバットとタツロットは今度はその言葉の主に対して言うのだった。
「それで何でここで出て来るんだよ」
「余計に話がわからなくなってきましたけれど」
「身体がなくなろうとも心は不滅だ」
 これが彼の答えであった。
 
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