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仮面ライダーキバ 目に見えないつながり

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第二十九章

「そういうことだな。とにかくあれに乗ればすぐに魔界城か」
「時間的にはそうよ」
 コハナは今の登の言葉にこう答えた。
「時間的にはね」
「時間って?」
「到着する時間はかからないけれど電車の中での時間は結構あるのよ」
 ハナはこう紅達に説明した。
「結構ね。だからそれはわかってね」
「わかりました。それじゃあ」
「乗るぜ、渡」
「もう来ましたしね」
 ここでデンライナーが紅達の前に停まった。白い扉が横に開きそれに乗り込んでいく。そうしてデンライナーで魔界城に向かうのだった。
 デンライナーの中は紅達にとってはキャッスルドラン以上に異様な世界であった。まず彼等は車両の中にいるそれぞれの色のイマジン達に驚かされた。
「僕は会ったことあるからまだわかるけれど」
 とりあえず紅はかつての共闘の経験が彼を助けていた。
「名護さん達はやっぱり」
「話に聞いていたがこの目でみるとな」
「やはり。何かが違うな」
「ネオファンガイアじゃないっていうのはわかるけれどね」
 名護も登も正夫も怪訝な顔で車両の中で陽気にコーヒーを飲んでいるモモタロス達を見て言うのだった。
「それにしてもそのコーヒーは」
「コーヒーにはとても見えないな」
「っていうか赤と青のクリーム?」
「はい、そうなんですよ」
 白と黒のスチュワーデスの様な服に腕時計をこれでもかと身に着けた女の子が笑顔で三人に言ってきた。
「これがデンライナーのコーヒーなんですよ」
「あっ、これイマジン用のコーヒーだから」
 ハナが咄嗟に紅達に告げてきた。
「気にしないで」
「イマジンもコーヒー飲むんですか」
「はい、飲みますよ」
 また女の子が笑顔で紅に言ってきた。
「このデンライナーのコーヒー」
「はあ。そうなんですか」
「それもちょっと言いたいが」
 名護はそのイマジンのコーヒーを見ながら女の子に尋ねた。
「君の名前は?一体何というのだ?」
「ナオミで~~~~す」
 女の子は明るく名乗ってきた。かなり能天気な調子である。
「宜しく御願いしますね」
「ナオミか。いや」
 しかしここで名護は首を捻りながら言うのだった。
「君は確か」
「はい!?」
「アギトにいた筈だ」
 こう主張してナオミを指差しだした。
「違うか!?答えなさい」
「アギト!?そういえば」
「似てるわよね」
「うん、というかそっくりだよ」
 紅と静香がここで顔を見合わせて言い合った。
「あそこの真魚さんに」
「そうよね。けれど何か雰囲気違うし」
「最近よく言われるんですよ」
 ナオミは今度はその二人の言葉に答えてきた。
「その人に似てるって。言われます」
「そういえばだ」
 ここで登も言い出してきた。
「あのクリーニング屋の」
「あそこにいる女の子ですよね」
「深央さんに似てましたよね」
「瓜二つだった」
 彼はこう紅と静香に対して述べた。
「最初見た時は生き返ったのかとさえ思った」
「けれど深央さんじゃなかった」
「違うんですよね、やっぱり」
「只の空似なんだな」
 登はこう結論付けることにした。
「あのレイも俺に異様に似ているしな」
「そういうのは気にするな」
 次狼がここで彼に言ってきた。
「あまりな」
「そうか。気にしたら負けか」
「そうだ。それよりもだ」
 次狼はモモタロス達を見た。やはり彼等はくつろいでそのうえでその奇怪なコーヒーを楽しんでいた。何もおかしなところはないようにだ。
「あんた達のそのコーヒーのことはいい」
「ああ、飲まないんだな」
「それはな。俺達は飲むとしたら自分で淹れる」
 こうモモタロスに対しても告げた。
 
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