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新オズの臆病ライオン

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第五幕その八

「かつてはね」
「オズの国じゃなかったですね」
「あの人のお国も」
「かつてはそうで」
「オズの国が大陸全体になって」
「それからですね」
「オズの国に入ったでしょ、オズの国は最初は今より小さな国で」
 それでというのです。
「中にある国も人もね」
「少なかったですね」
「今よりも」
「そうでしたね」
「かつては」
「ボームさんが外の世界に知らせていた時は」 
 その頃はというのです。
「死の砂漠はオズの大陸の真ん中の四方を囲む感じであって」
「その中にオズの国があって」
「砂漠の幅も広かったですね」
「今よりずっと」
「それで誰も通れないで」
「オズの国を出ることも入ることも出来なかったですね」
「同じ大陸にいてもね」
 それでもというのです。
「そうだったわ」
「それが砂漠が大陸の海岸の方に移って」
 臆病ライオンも言いました。
「幅もほんの僅かになってね」
「オズの国も広くなって」
「大陸全体になってね」 
 ドロシーにお話しました。
「沢山の国が入ってくれて」
「人も増えたわね」
「今ではね」 
 臆病ライオンはお話を続けました。
「オズの国は大陸とその周辺の海だよ」
「そこまで領土が広がったわね」
「そしてね」
「その周りの海もね」
「オズの国の海だよ」
「そうなっているわね」
「そして外の世界からボームさんと同じ理由で人も来て」
 そうもなってというのです。
「さらにね」
「賑やかになったわね」
「そうだよね」
「サンタさんも来てくれるし」
「あの時もだったね」
「ええ、サンタさんはオズの国の人じゃないけれど」
 それでもというのです。
「神宝達と同じでね」
「オズの国の名誉市民だね」
「そうなっているわ」
 臆病ライオンに笑顔でお話しました。
「あの人は」
「そうだよね」
「あの人がいてくれて」
 それでというのです。
「どれだけ皆夢を持っているか」
「わからないね」
「そうよね、サンタさんは本当にいるかどうか」
「もうそれはね」
「決まっているわ」
 言うまでもないというのです。
「そのことはね」
「サンタさんはいるよ」
「実在するわ」
「そうだよね」
「だからね」
「オズの国にも来てくれるね」
「そうなのよ」
 こう言うのでした。
「そして名誉市民なのよ」
「オズの国のね」
「そのサンタさんの絵もあるよね」
 トトはドロシーに彼女の足下から聞きました。 
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