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仮面ライダーキバ 目に見えないつながり

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第十九章

「今目の前にいる敵を倒すことが先だよ」
「そうだね。それはね」
「行くぞ」
 次狼の牙が光る。
「雑魚は俺達に任せろ」
「久し振りに暴れさせてもらうよ」
「腕がなる」
 ラモンと力も次狼の横に並んで言う。
「それじゃあ、先にね」
「行く」
 三人がまず先に動いた。そうしてネオファンガイアの中に雪崩れ込む。そのうえで牙や水、それに怪力を使って彼等を次々と粉砕していく。次に動いたのは正夫だった。
「じゃあパパ」
「行くんだね」
「うん」
 父に顔を向けて頷いての返事だった。
「僕も行かせてもらうよ」
「俺も行く」
 登も正夫と並んで言った。
「ビショップ達は御前に任せた」
「兄さん、いいの?」
「ああ、構わない」
 因縁あるビショップとの勝負をあえて譲るというのだ。
「俺が闘うべき相手はどうやら他にいるようだしな」
「他に?」
「近付いてきている」
 彼は声を鋭くさせて言った。仮面の奥の表情も。
「そいつが。しかしそれは今じゃない」
「だからなんだ」
「その連中は御前に任せた」
 彼はまた弟に告げた。
「俺は他のネオファンガイア達をやる」
「御願い」
 紅も兄の言葉を受け入れたのだった。そのうえでの今の言葉だった。
「じゃあ僕はあの二人のうちのどちらかを」
「ああ」
「俺は間違いない」
 名護の相手はもう決まっていた。
「あの男だ」
「そうだ。貴様は私が倒す」
 ビショップはファンガイアの姿でその名護に応えてきた。
「何としてもだ」
「そういうことだ。じゃあ渡君」
「はい」
 紅は今度は名護に顔を向けた。そのうえで二人で頷き合う。
「行くぞ」
「わかりました」
「君はあの蜘蛛のファンガイアだな」
「そうですね」
 紅はまた名護の言葉に頷いた。その糸矢を見ながら。
「頼むぞ」
「ええ。何があっても」
 毅然として立ちながらの言葉だった。
「倒します、この時代でも」
 紅と名護は二人で前に出た。やはり紅は糸矢に向かい名護はブショップに向かう。両者は互いに激しい戦いに入ったのだった。
「そうか、キバが俺の相手か!」
「そうだ、僕が相手だ!」
 キバに変身している彼は糸矢に対して拳を出しながら言った。
「だからここで」
「俺を倒せるかなあ!?」
 変身してファンガイアになっていてもその狂気相変わらずだった。
「この時代でも。果たしてなあ」
「倒せる。いや」
 紅は糸矢をその拳で打ちながら言った。
「倒してみせるんだ、何があっても」
「渡、気をつけろよ」
 キバットが彼に対して言ってきた。
「こいつ強くなってるぞ」
「そうみたいだね」
 紅は拳を受けてもそれでも平然としている糸矢を見て応えた。
「今の一撃でも平気みたいだし」
「こりゃ尋常じゃねえぜ」
「じゃあ僕もお助けしますね」
 ここでタツロットが彼の側に飛んで来て声をかけてきた。
「それでいいですか?」
「いや、待って」
 しかし彼はここではタツロットの今の申し出を断るのだった。
「ここはキバットだけでやってみる」
「何でだよ、渡」
「少し考えがあるんだ」
 紅は何度も何度も攻撃を浴びせる。拳だけでなく蹴りまで出してそのうえで糸矢を打ちまたその攻撃を弾き返す。しかしそれでも彼はまだ生きているのだ。
 
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