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おぢばにおかえり

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第七十八話 教会長さんその十一

「これからも」
「皆新一君のこと言うんですよね」 
 不思議とです。
「どうしてか」
「それは誰が見てもわかるからね」
「誰でもですか」
「だってちっちあの子とよく一緒にいるじゃない」
「勝手に来るんです」
 いつもそうです。
「新一君から」
「それでも拒まないでしょ」
「仕方ないわねって思いますが」 
 これもいつものことです。
「それでも」
「そうよね、そう思うことがね」
 それがというのです。
「いいのよ」
「先輩もそう言われるんですね」
「私もなのね」
「はい、どの人からも言われます」
 それこそです。
「不思議と」
「不思議じゃないわね」
 またくすりと笑われました、その笑顔がとても素敵です。あらためて先輩は奇麗な人だわと思いました。
「それは」
「そうですか?」
「ええ、じゃあ教祖殿に参拝しましょう」
「今から」 
 教祖殿のその前にです。
 私達は並んで座って手を合わせて参拝しました、そしてです。
 赤くて優しい光に照らされたそこを後にしました、それからまた先輩は言われました。
「ちっちが気付いたらね」
「何にでしょうか」
「あっ、まあそれはね」
 少し苦笑いになってのお言葉でした。
「そのうちわかるわ」
「そうもよく言われます」
「やっぱりね」
「やっぱりですか」
「ええ、あの子も大変かもね」
「新一君がですか?」
「ええ、ちっちがこうだと」
 少し苦笑いですが優しい感じでした、そんな笑顔で言われるのでした。 
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