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新オズの臆病ライオン

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第五幕その六

「さらにね」
「速く進めるんだね」
「そうよ、だからね」
「この橇でだね」
「またね」
「うん、乗って行くよ」
「そうしてね」 
 こうお話してでした。
 臆病ライオンとドロシーはその橇を使ってすぐに神殿まで戻りました、そしてまた音よりもずっと速くお空を駆ってです。
 神殿に着きました、すると皆驚きました。
「もう戻られたんですか」
「さっき行かれたと思ったら」
「都に行かれて」
「戻られたんですね」
「いや、凄いね」 
 魔法使いも自分の携帯を手に驚きを隠せないでいます。
「さっきオズマ姫から絵を渡したって連絡を受けたところだよ」
「そうなのね」
「まさに音よりも速いだね」
 橇から降りたドロシーに言いました。
「これは」
「そうなるのね」
「うん、それで絵だけれど」
「これよ」 
 早速その絵を出しました、鞄からにゅっと出ます。
「貰ってきたわ」
「ああ、その布は」
「何でも包んだらね」
「大きさが十分の一になるんだよ」
「そうした布なのね」
「オズマ姫が造ったんだ」
「そうよね」
 ドロシーも頷きました。
「オズマから聞いたわ」
「それでね」
 魔法使いはさらに言いました。
「この絵は実は大きいから」
「オズマが言った通りにね」
「然るべきお部屋に飾ろう」
 こう言うのでした。
「そうしよう」
「ええ、そうしましょう」
 ドロシーは魔法使いの言葉に頷きました。
「ここはね」
「是非ね、しかしね」
「どうしたの?」
「いや、ボタンの時といいね」 
 魔法使いは微笑んでお話しました。
「ドロシーと臆病ライオン君のお手柄だね」
「絵を持って来て帰ったから」
「それでなんだ」
「どちらもファインプレーだよ」
 魔法使いは笑ってこうも言いました。
「本当にね」
「そう言われてもね」
「僕達は自然にやったから」
「昨日動物園でもお話したけれど」
「ファインプレーでもないよ」
「ははは、当然のことだね」
 魔法使いは普通に言う二人に笑って返しました。
「そうだね」
「ええ、だからね」
「そんな褒められることじゃないわよ」
「オズの国それも責任ある立場だと」
「これ位はね」
「その当然のことを当然に行う」 
 そうすることがというのえす。
「素晴らしいことだよ、だから私はね」
「今なのね」
「僕達を讃えてくれるんだ」
「そうだよ、では絵は飾ろうね」 
 こう言ってでした。
 皆で絵を布に包んだまま然るべきお部屋に持って行ってそのうえでそこで床の上に置いて布を開きました、すると。 
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