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新オズの臆病ライオン

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第五幕その四

「それじゃあね」
「今からだね」
「都に行きましょう、絵はオズマが見付けてね」
 そうしてというのです。
「私達が来ればね」
「渡してくれるんだ」
「そう言ってくれたわ」
 そのオズマがというのです。
「さっき携帯でやり取りをした時にね」
「オズマ姫がそう言うなら」
 それならとです、臆病ライオンも安心しました。そうしてです。
 ドロシーがエメラルドの都に行くわと言うと臆病ライオンは早速駆けだしました、するとすぐにです。
 橇は動きはじめ空を駆りました、そこからは一気にです。
 雪原を滑り下る様に物凄い速さで飛んでいきます、橇を曳く臆病ライオンは空を駆りつつ言いました。
「これは凄いね」
「ええ、風よりも速いわ」
 橇に乗るドロシーも言います、乗っていますがオズの国では生きものには言うだけで充分なので鞭は使っていません。
「もうね」
「そうだよね」
「むしろ飛行機よりもね」
「速い位だね」
「これだとね」
 ドロシーは髪の毛を風にたなびかせ雲と雲の間を橇で駆け抜けつつ言いました。
「都までね」
「あっという間だよ」
 臆病ライオンも鬣を風にたなびかせています。
「それこそ」
「そうね、それじゃあ」
「うん、すぐにでもね」
「都に行きましょう」
「そうしようね」
「そして」
 ドロシーはさらに言いました。
「オズマから絵を受け取って」
「すぐに神殿まで戻ろうね」
「そうしましょう」 
 こうしたお話もしてでした。
 橇はどんどん進み眼下の紫の世界はあっという間に緑に変わってです。
 都に着きました、そして都の真ん中の宮殿のお庭に着陸するとそこにはもうオズマがいて自分の前に滑って降り立ったドロシー達に言いました。
「速いわね、今絵をね」
「持って来てなのね」
「ここに来たところよ」
 こうドロシーにいうのでした。
「そうだったのよ」
「このお庭に」
「ええ、絵はね」 
 これはといいますと。
「宮殿の美術館にあったわ」
「あそこね」
「飾る芸術品はあそこから今回の会議に持って行っていたから」
「美術館に行ったら」
「それでね」
 まさにそれでというのです。
「すぐによ」
「見付かったのね」
「そうなのよ」
 こう言うのでした。
「嬉しいことにね」
「それは何よりね」
「ええ、ではね」
「これからよね」
「これだから」
 緑色の布に幾重にも包んだその絵を差し出して言います。絵の大きさは大体横に五十センチ縦に四十センチ位です。
「この布は魔法の布でね」
「そうなの」
「この布で包んだらかなり小さくなるの」
「どれ位になるの?」
「大体十分の一位よ」
「じゃあこの絵元はかなり大きいのね」
「そうなの」
 こうお話するのでした。 
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