神々の塔
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第四十六話 女帝達その九
「少なくともこの世界の者達とは」
「この世界のですか」
「神界にいる者達なら兎も角」
「そうした人達とはですか」
「そうもしますが」
それでもというのだ。
「貴方達とはです」
「ないですか」
「はい」
そうだというのだ。
「ですからご安心を。それに」
「それに?」
「見たところ全員。女性達も含めて知識だけですね」
女帝は微笑んでこうも述べた。
「経験はないですね」
「いや、それは」
「何も言ってませんけど」
「わかります?」
「そうなんですか?」
「見ればわかります」
女帝は微笑んだまま答えた。
「人を見ればおおよそは」
「そういうのわかるって」
「凄いですね」
「流石女帝さんですね」
「ほんまに」
「経験を積めばわかります」
そうすればというのだ。
「そして私は神霊なのですか」
「余計にですか」
「こうしたこともわかりますか」
「そうですか」
「こうしたことは床を共にと言うと」
先程の様にというのだ。
「反応でわかります」
「経験ないとですか」
「それが出ますか」
「反応に」
「余裕がなく驚いたり戸惑ったりします」
そうなるというのだ。
「あれば言われても」
「女帝さんに誘われても」
「それでも驚いても」
「余裕が出ますか」
「反応に」
「全く経験がないとはじめということが」
それがというのだ。
「出ます」
「それ言われますと」
アレンカールは顔を赤くさせて応えた、ジャガーの顔であるがそれでも顔ははっきりと赤くなっている。
「そうなんですが」
「それでわかります、そして目ですね」
「目ですか」
「目が一番わかります、例えば心正しき人は澄んでいて」
「悪いと濁りますね」
「そうです、貴方達もこの世界で国を治めているなら」
特に棟梁である綾乃を見て話した。
「こうしたことはです」
「覚えておくことですね」
その綾乃が応えた。
「絶対に」
「そうです、いいんですね」
「はい、経験のことは兎も角」
「それはやがて誰でも経験しますね」
「そ、それ言います?」
「結婚すれば必ずですね」
「そう言われたら」
綾乃は赤くなった後で白くなって応えた。
「そうですね」
「そうです、交際しても」
「ありますか」
「それでわかります」
そうだというのだ。
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