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夢幻水滸伝

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第三百二十五話 東進の為にその八

「この度は」
「そうじゃな、では七州掌握じゃ」
「それにかかりますね」
「そうするわ、さて」
 碧はここまで話してだった。
 トウェインに顔を向けてだった、思わせぶりに笑って声をかけた。
「それでじゃが」
「まさかと思うがな」
「そのまさかじゃ、どうじゃ」
 思わせぶりな笑顔のまま言うのだった。
「婿にならぬか」
「やっぱりそれ言うか」
「どうじゃ、お互い大学を卒業して就職したらじゃ」
 そうすると、というのだ。
「婚姻届を出してじゃ」
「式を挙げるんじゃな」
「そしてじゃ」
 碧はにまあ、と笑って言った。
「初夜じゃ、まずはぬしが上になってじゃ」
「ベッドやなくて布団の中でやな」
「白無垢姿のわらわを一糸まとわぬ姿にしてのう」
 そうしてというのだ。
「抱くのじゃ、そして次はわらわが上になり」
「それでか」
「婿殿に尽くすぞ、四十八手全てじゃ」
「毎晩楽しむんやな」
「式を挙げるまでは手をつなぐことも駄目じゃが」
 それでもというのだ。
「式の後はのう」
「毎晩やな」
「五回じゃ」 
 回数まで言うのだった。
「そして子供は何人でも欲しいのう」
「野球チーム作られる位か」
「いや、ラグビーじゃ」
「サッカーを超えてか」
「そしてどの子も公平に愛情を注いで育て」
 碧はこうした話もした。
「よき人になってもらうけえ」
「そこまで考えてるんやな」
「わらわはな、それでどうじゃ」 
 トウェインにあらためて誘いをかけた。
「婿にならんか」
「遠慮するわ」
 トウェインはきっぱりと答えた。
「碧ちゃんは友達やけどな」
「嫁にはか」
「そやから彼女から一段飛びはな」
「交際イコール結婚じゃろう」
「何時の考えや、それ」
「わらわの中ではそうじゃ」
「そやから知識はあってもか」 
 そうしたことに対してというのだ。
「経験はないんやな」
「操は守るけえ」
 腕を組んで言い切った。
「それを失う位ならわらわは自ら死を選ぶけえ」
「古風な考えやな」
「わらわは大和撫子じゃ」
 きっぱりと言い切った。
「そやからじゃ」
「そこは守るか」
「そうするけえ」
 こう言うのだった。
「もうのう」
「そやねんな」
「そうじゃ、そしてじゃ」
 そのうえでというのだ。
「婿殿一筋じゃ」
「それになる人にか」
「そうじゃ、それでトウェイン君にも誘いをかけたが」
「ああ、友達でいよな」
「わかったけえ」 
 素直に頷いて応えた。 
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