夢幻水滸伝
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第三百二十四話 極寒の自然の中でその十三
「アラスカ州だけでええのか」
「勢力拡大ですか」
「そちらのことをお考えですか」
「そうなのですね」
「はい、しかし」
それでもとだ、エリカは会議の場で州の要人達に言った。
「北極上空はもうです」
「小泉様達が掌握線とされていて」
「そちらへの進出はですね」
「あの方々との衝突になりますね」
「中立条約を結んでいますので」
これがあるからだというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「あちらには進出出来ないですね」
「とても」
「そうです、カナダも同じです」
こちらもというのだ。
「やはりです」
「進出出来ないですね」
「そちらも」
「条約を結んでいますので」
「だからですね」
「条約もありそれぞれの勢力の力関係を見ても」
それでもというのだ。
「到底です」
「どちらにもですね」
「進出出来ないですね」
「条約を破って攻め込むなぞ論外ですが」
「例えそれを行ってもですね」
「はい、負けます」
北極上空に対してもカナラに対してもというのだ。
「間違いなく」
「左様ですね」
「そうなりますね」
「どう考えましても」
「特に枢軸に対しては」
ベーリング海峡を挟んで西側にあるこの勢力にはというのだ、エリカは彼等のことも強く意識しているのだ。
「絶対にことを構えたくないです」
「あちらの星の方々は苛烈です」
「敵に対しては微塵も容赦されません」
「何でも四十万の賊を生き埋めにしたとか」
「四十万の巨人も」
「実はどの方もプライベートやとええ人です」
エリカは枢軸の星の者達の話もした。
「これが」
「そうなのですか」
「冷酷にして苛烈と言われていますか」
「無慈悲とも」
「それでもですか」
「こちらの世界でも何でもです」
エリカは彼等についてさらに話した。
「政や戦の場を離れて」
「プライベートですか」
「その場になるとですか」
「全く違うのですか」
「フレンドリーで気さくで陽気な人達です」
枢軸の星の者達はというのだ。
「神星の人達も天の星の人達も」
「どの方もですか」
「そうした方々なのですか」
「その実は」
「はい、そやけどです」
それでもとだ、エリカは高官達に真剣な顔で話した。
「政や戦の場ではです」
「敵に対しては微塵も容赦せず」
「極めれ冷酷で無慈悲である」
「血を厭わない」
「そうした方々ですね」
「そうですさかい」
だからだというのだ。
「あの人達とは特にです」
「戦いたくないですか」
「そうなのですか」
「エリカ様としては」
「はい」
そうだというのだ。
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