同じ公立大学でも

　　　　　　　　　　　　　　　　同じ公立大学でも
「あんた市立大？」
「そうよ」
　草薙佑衣子は友人に答えた、色白で茶色にした髪の毛を短くしていて大きな垂れ目が印象的な童顔である、小柄だが胸がありスタイルもいい。
「私が通ってるのはね」
「府立大じゃなかったのね」
「それはお姉ちゃんだから」
　一つ上の姉の話をした。
「私はね」
「そっちね」
「そう、市立大よ」
「大阪市の」
「お姉ちゃんは府でね」
「違うのね」
「同じ公立でも」
　その大学でもというのだ。
「通ってる大学は違うのよ」
「そこややこしいわね」
「ええ、ただね」
「ただ？」
「レベル的にはどうかはね」
　大学のそれはというと。
「どうなのかしらね」
「あんたもわからないのね」
「公立で学費安いから頑張って入ったし」
　そうしたからだというのだ。
「レベルもいいことは知ってたし」
「市立大が」
「それならいいってなってるしね」
「どっちが上かはなの」
「別に気にしてないわ」
　そうだというのだ。
「府立大と間違えられることがね」
「気になるのね」
「それがね」
　こう友人に話した、だがそれは。
　姉の美加子太い眉と形のいい顎にはっきりした大きな目と赤い奇麗な唇に黒髪を伸ばし後ろで束ね一六二位の背で妹と同じ位の胸とスタイルの彼女もだった。
「またね」
「言われたのね、お姉ちゃんも」
「市立大かって」
「公立大学っていうのね」
「大阪のね」
「私も友達に間違えられたし」
　佑衣子は姉にこのことを話した。
「公立大学ってことはわかってるけれど」
「通ってる大学がね」
「けれどね」
「府立大か市立大かでね」
「間違えられるのよね」
「いつもね、それがね」　
　どうにもというのだった。