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二年間孤独だった羊

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第二章

「放っておけないってね」
「言ってくれたのね」
「そうなんだ」
 そうなったというのだ。
「有り難いことに」
「それは本当に有り難いわね」
「それで今度保護をするけれど僕もね」
「行くのね」
「そうするよ」
 こう言って実際にだった。
 ウィルソンの保護活動に参加した、するとだった。
「いや、まさか」
「ウィンチまで使うとは」
「思いませんでしたね」
「ここまで大掛かりになるとは」
「流石に」
「はい」
 他の参加者達と保護する中で話した。
「そこまでとは。しかし」
「はい、弱っていて」
「しかも毛が長くなり過ぎていて」
「もう毛むくじゃらですね」
「そうなっていますね」
「これは大変です」
 真剣な顔で言うのだった。
「若しあと少し遅れていたら」
「どうなっていたか」
「わからないですね」
「本当に」
「そうですね」
「すぐにです」
 ウィルソンが言った。
「毛を刈ってです」
「獣医さんに診察してもらって」
「そうしてですね」
「保護する場所に送る」
「そうしますね」
「そうしましょう」
 こう話してだった。 
 すぐにその羊、雌でフィオナと名付けられた彼女をだった。
 ウィンチも使って救助して毛を刈ってだった。
 獣医に診察してもらい治療も施してだった。
「それでなのね」
「今はここにいるんだ」
 ターナーは妻をパームパークに連れて来て話した、そこには多くの羊達がいて穏やかに暮らしている。
「幸せにね」
「それは何よりね」
「この通りね」
「メェ」
 そこに確かにフィオナがいた、首輪に名札があってそこに名前がある。見れば今は多くの仲間達に囲まれている。
「幸せだよ」
「よかったわね」
「うん、わかってる限り二年もね」 
 それだけというのだ。
「孤独だったけれど」
「それが終わったのね」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「この通りね」
「それじゃあこれからは」
「幸せにね」
「皆に囲まれて」
「暮らせるよ」
「それはよかったわね」
「もうこの娘は孤独じゃなくて」
 そしてというのだ。
「幸せにもね」
「なってるし」
「これからもだよ、ハッピーエンドはね」
 これはというのだった。
「これからもね」
「続くのね」
「そうなるよ」
 笑顔で言うのだった、そして妻と共に彼女を見て笑顔になるのだった。とても幸せそうな彼女を見て。


二年間孤独だった羊   完


                  2023・11・24 
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