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新オズの臆病ライオン

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第二幕その四

「何かね」
「違和感あるかな」
「だって私カンサスの大平原にいたね」
「農家の娘さんだね」
「そうだからね」
「いや、ドロシーはとても可愛いからね」 
 だからだとです、魔法使いはドロシーにお話しました。
「それでだよ」
「そう言うの」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「それに天使にも誰にもなれるのがね」
「オズの国ね」
「天使そのものにはなれなくても」
「翼を付けて」
「そうしてね」
「天使になれるのね」
「うん、流石にリングはないけれどね」
 天使の頭の上にあるそれはというのです。
「それでもね」
「そういえば天使さん達は頭の上にリングがあるね」
 臆病ライオンはこのことを言いました。
「オズの国の天使さん達は」
「外の世界の天使さん達もだよ」
 魔法使いは臆病ライオンにも答えました。
「そうだよ」
「そうなんだね」
「うん、そして天界のキリスト教の神様に仕えてるんだよ」
「それが天使さん達だね」
「オズの国でもね」
 こう臆病ライオンにお話します。
「そうだよ」
「そうだね、しかしね」
「しかし?」
「いや、天使さん達って男の人もいれば」
「女の人もいるね」
「そうだね、ただどっちかわからない人もね」
 天使達の中にはというのです。
「ぱっと見ただけじゃね」
「それは元々天使には性別がないとね」
「ないんだ」
「考えられていたんだ」
 そうだったというのです。
「昔はね、若しくは男の人だけがね」
「天使だったんだ」
「そうとも考えられていたんだ」
「そうだったんだね」
「それでね」
 今はというのです。
「オズの国の天使さん達もだよ」
「ぱっと見ただけで性別がわからない人もいるんだ」
「中世的な外見の人もね」
「成程ね」
 臆病ライオンは納得して頷きました、見ればお空には天使もいてお空を神々しい感じで飛んでいます。
 そしてです、夕方になるとでした。
「もうすぐで着くよ」
「えっ、もうですか?」
「一時間位しか飛んでないですよ」
「それでもですか」
「もう着いたんですか」
「ギリキンの北に」
「この飛行機はとても速いからね」
 魔法使いはもう着いたことに驚いている神宝達五人に言いました。
「都の傍からギリキンの北の端の方にもね」
「一時間ですか」
「それ位で行けるんですか」
「そんなに速く飛べるんですね」
「それはまた凄いですね」
「本当に」
「音速の何倍もの速さで飛べるからね」
 だからだというのです。 
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