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X ーthe another storyー

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第四十三話 弔後その十三

 地の龍の面々は星史郎を偲びつつ時を過ごした、そこにあるのは人間の心そのものであった。そしてだった、
 庚は夢の中で牙暁と話してそのうえで言った。
「彼はまだなのね」
「この世に留まっているよ」
「そうしているのね」
「皆の前には姿を現さないだろうけれど」
 それでもというのだ。
「けれどね」
「私達を、戦いを見守ってくれているのね」
「そうなんだ」
 そうしているというのだ。
「今もね」
「それは嬉しいわね。ではね」
 庚はその話を聞いて実際に喜びの微笑みを浮かべて述べた。
「私達の戦いとね」
「皆自身をだね」
「見てもらうわ」
「そうだね、あと彼は」
 星史郎のことをだ、牙暁はさらに話した。
「真実を知ったよ」
「そうなのね」
「魂だけになってね」
 それでというのだ。
「そのうえで」
「見ているのね」
「そうだよ、そして戦いが終われな」
 その時はというと。
「行くつもりらしいよ」
「あちらの世界に」
「うん。ただ北都さんは天国に行っても」 
 彼女はというのだ。
「けれどね」
「彼は違うわね」
「僕もそれは否定出来ないよ」
「悪事を犯してきたのは事実だから」
「北都さんも殺したし」
 今話が出た彼女もというのだ。
「だからね」
「それではね」
「地獄に行くしかないよ」
 彼はというのだ。
「もうね」
「私も同じよ。そうとしかね」
「考えられないね」
「ええ、他の人は別にしても」
 地の龍のというのだ。
「彼はね」
「それが代々の生業としても」
「罪を犯してきたことは事実だから」
「地獄に行くね」
「ええ、それでもね」
 目を横にやってだ、庚は述べた。
「冥福は祈らせてもらうわ」
「友達としてだね」
「彼女は言ったそうね、償えない罪はあるって」
 北都が彼に死の間際で言った言葉を牙暁に出して問うた。
「そうだったわね」
「言ったよ、確かに」
「その通りよ、そして彼はそうした罪を多く犯してきたわ」
「桜塚護として」
「だからね」
 それが為にとうのだ。
「彼は地獄に行くわ。けれどね」
「それでもだね」
「そうしていいわね」
 冥福を祈る、そうすることはというのだ。 
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