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X ーthe another storyー

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第四十三話 弔後その六

「そうなるわね」
「運命は一つでも絶対に決まっていることでもない」
 神威はこうも言った。
「だからな」
「それでよね」
「俺達の行動次第でな」
「運命はこれからも変わっていって」
「最高でなくてもな」
 それでもというのだ。
「次善の結末はだ」
「迎えられるね」
「きっとな、だから運命をな」
「これからもね」
「変えていこう」
「そうね、皆で力を合わせてね」
「そうしていこう」
 残った二人で話してそれから自分達の教室に戻った、その日の放課後封真は新宿駅のところを歩いていたが、
 護刃犬鬼を連れた彼女と擦れ違った、そこでお互いに気付いた。
「君は」
「貴方は」
 お互いに足を止めて顔をやって言い合った。
「神威さんと小鳥さんのご家族の」
「神威と小鳥の友達の」
「そうでしたね」
「ああ、君もだな」
「はい」
 護刃はここでだった。
 封真と間合いを取って身構えた、犬鬼も唸る。だが。
 封真は真剣な顔でだ、その護刃に告げた。
「今は止めよう、前と状況が違う」
「結界を張ってもですか」
「少なくとも俺は戦う気はない」
 こう言うのだった。
「今はな」
「まさか」
「星史郎さんのことが気になってな」
 その為にというのだ。
「今はそんな気になれない」
「だからですか」
「それに今からものを買いに行くんだ」
 封真は微笑んでこうも話した。
「ケーキをな」
「ケーキですか」
「皆ケーキが好きなんだ」
 微笑んだままでだった、封真は護刃に答えた。
「だからな」
「今からですか」
「美味いケーキ屋があると聞いている」
 封真はこうも言った。
「それでそのお店に行ってな」
「ケーキを買って」
「皆にご馳走したいんだ、だからな」
「だからこれですか」
「今は戦いたくない」
「では」
「また会おう」
「はい、こちらこそ」
 こう言葉を交えさせてだった。
 二人は別れ封真は新宿の百貨店の一つにある店でケーキを人数分買ってそのうえで都庁に行った。そこでだった。
 ケーキを出そうとしたがいるのは哪吒だけだった。
「誰もいないのか」
「僕以外には颯姫さんだけがです」
 哪吒は自分の席から答えた。
「おられます」
「そうか」
「他の人はまだお仕事で」
 それがあってというのだ。
「来ていません」
「そういえばそんな時間か」
 封真は哪吒に言われ壁の時計を見て言った。 
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