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ドリトル先生の落語

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第十二幕その六

「骨埋めるのはです」
「大阪だね」
「はい、ただ宗教は変わってないです」
「キリスト教かな」
「国教会です、まあそっちはです」 
 先生に宗教のお話もしました。
「教会に行くことはあっても」
「それでもなんだ」
「お寺や神社にも行きます」
 日本のというのです。
「この前四天王寺行ってきました」
「そっちにだね」
「やっぱええですね、お寺」
 こうも言う春琴さんでした。
「それで住吉さんでグラビア撮影なんかも」
「したんだ」
「太鼓橋の上で」
「ああ、あの橋だね」
「そうもしてます、お賽銭も入れさせてもらって」
 そうしたこともしてというのです。
「手も合わせてます」
「完全に日本人それもね」
「大阪人ですね」
「じゃあ石切神社や晴明神社も」
「行ってます、大阪城も好きです」
「通天閣もだね」
「勿論です、それで鶴橋に行ったら」
 その時はといいますと。
「ホルモンとかキムチも」
「食べるんだね」
「そうしてます、天下茶屋にも馴染みのお店ありますし」
「ああ、あそこにもなんだ」
「行きます、平野の天理教の教会にも行かせてもらったりもです」
「船場にも大きな教会あるね」
「マネージャーさんは天理教の人で」
 一緒に食べているその人を見てお話します。
「行かせてもらったり」
「宗教も大阪にだね」
「馴染んでます、それでどっちの教会にもめっちゃ凄い別嬪さんおって」
 それでというのです。
「眼福でした」
「女の人も見たんだ」
「はい、たまたま見掛けたら」
 それでというのです。
「どっちの教会にもです」
「平野の方も船場の方もだね」
「何や女優さんかいなって」
 そこまでというのです。
「思う位の別嬪さんがいまして」
「驚いたんだね」
「そうでした、しかしです」
「しかし?」
「自分でも思います」
 春琴さんはサイダーを飲みつつ言いました。
「私はもうです」
「大阪人にだね」
「なってます、そうですさかい」
「大阪で暮らしてだね」
「そしてです」
 そのうえでというのです。
「大阪でお仕事して」
「大阪で死ぬんだ」
「そうしたいです、そうですね」 
 春琴さんは笑ってこうも言いました。
「死ぬ前はたこ焼き食べて」
「それでなんだ」
「死にたいですね」
「たこ焼きだね」
「イギリスではこれもないですが」
 たこ焼きもというのです。 
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