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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)

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【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
  【第11節】背景設定1: 暦法や言語などについて。

 ちなみに、ミッドでの「年齢の数え方」について、ですが……。
 この作品では、『ミッドを始めとする〈次元世界〉の各管理世界では、一般に「個人の誕生日を祝う」という習慣それ自体が無く、年齢に関しても伝統的に(その人の誕生日が実際には何月何日か、ということには関係なく)全員が揃って「新年の開始と同時に年齢をひとつ繰り上げる」という、ベルカ式の数え方をしている』という設定で行きます。
 要するに、日本における「(かぞ)え年」と似たような要領なのですが……私が見た限りでは、登場人物の誕生日について公式には特に設定が無く、原作の中にも「不自然なまでに」登場人物の誕生パーティーに関する描写が無いので、この作品では思い切って、このような設定を採用してみました。
【無印において、なのはたち小学3年生が全員、4月のうちから「9歳」と表現されているのも、『こうした「管理局式の数え方」が(さかのぼ)って適用された結果である』という設定です。
 なお、余談ながら、日本の伝統的な「数え年」では、『人間の年齢を基数(one, two, three)ではなく、序数(first, second, third)で数える』という考え方をします。だから、生まれた瞬間は「人生の1年目」だから「1歳」と数え、初めて年が明けた時点で「人生の2年目」に入ったので「2歳」と数えるのです。】


 また、科学的に考えれば、当然ながら『別の惑星の公転周期や自転周期が、地球のそれと完全に一致する』などということは決してあり得ないのですが、その点をマジメに考え出すともう本当に際限(キリ)が無くなってしまうので、この作品では、『一年の長さも一日の長さも(ついでに、北半球における「冬至」の日時も!)すべての世界で完全に一致している』という「かなり無茶なファンタジー設定」で押し通すことにします。

 次に、ミッドの新暦と地球の暦との対応についてですが……。
 この作品では、新暦79年を舞台とする「リリカルなのはVivid」のTVアニメが、平成27年・西暦2015年に初放映されたことを記念して(?)『管理世界での新暦79年が、そのまま地球での平成27年・西暦2015年である』という設定で行きます。
 よって、『新暦元年は昭和12年・西暦1937年であり、無印とA’sの舞台となった新暦65年は、現実のTV放映よりも少し前の、平成13年・西暦2001年だった』ということになります。

【原作の「考察」としては、A’sの初放映に合わせて(?)『新暦65年は、西暦2005年だった』という説が有力なようですが、この作品では、この設定で行きます。
 結果として、『新暦95年を舞台とするこの作品の「本編」は、地球では令和13年・西暦2031年の物語だ』ということになってしまうのですが。(苦笑)】

 また、一年の起点に関しては、『ミッドチルダでは伝統的に、「冬至の明け」(冬至の三日後)を元日としている』という設定で行きます。
(春分や秋分の三日後を「彼岸(ひがん)の明け」と呼ぶのと同じ要領です。)

【なお……どういう訳か、今はもう手元に現物が無いので、確認が取れず、うろ覚えのままで申し訳ないのですが……確か、リリカルなのはA’sの「サウンドステージ」の「03」かどれかに『ミッドにも、クリスマスとお正月を一緒にしたような祭日がある』みたいな表現があったと思います。それで、私はこんな設定を思いつきました。
 結果として、『同じ日でも、「(こよみ)の上での日付(ひづけ)」は、ミッドの暦の方が地球のグレゴリオ暦よりも何日か(下記のとおり、6~11日ほど)先に進んでいる』ということになります。】

 また、(つき)という単位に関しても、『ミッドでは二つの衛星(つき)の満ち欠けには関係なく、一か月は常に30日で、年末(冬至の前後)にまとめて五日間の(うるう年ならば、六日間の)「余り日」が置かれる。昔は、この「余り日」に「(もの)()み」や「冬至の儀式」などが行なわれていた』という設定で行きます。
 つまり、ミッドで言う「12月30日」は、平年ならば「冬至の入り」(冬至の三日前。地球のグレゴリオ暦で言う12月19日)ということになります。
(平年ならば、地球で言う「12月20日~24日」が、ミッドで言う「余り日」です。)

 まとめて言うと、(平年であれば)おおよそ以下のとおりとなります。
『ミッドの1月1日が、地球の12月25日(冬至の明け)に、
 ミッドの2月12日が、地球の2月4日(立春)に、
 ミッドの3月27日が、地球の3月21日(春分)に、
 ミッドの5月13日が、地球の5月6日(立夏)に、
 ミッドの6月29日が、地球の6月21日(夏至)に、
 ミッドの8月17日が、地球の8月8日(立秋)に、
 ミッドの10月3日が、地球の9月23日(秋分)に、
 ミッドの11月19日が、地球の11月8日(立冬)に、
 ミッドの「余り日の三日目」が、地球の12月22日(冬至)に、各々対応する』

 また、Vividのコミックスには、「週末」とか「土日」とか「月曜日」とかいった用語がフツーに出て来るのですが……そもそも、地球で「一週間」という単位が七日間である理由は、「地表から肉眼で見ることのできる、特別な天体」の数が、地球では「たまたま」七個だったからです。
 つまりは、「太陽(日)、月、水星、金星、火星、木星、土星」のことなのですが、曜日の名前も本来は、それらの天体の名前(もしくは、それらの天体に関連づけられた神様の名前)から取ったものです。
 そう考えると、個人的には、『ミッドでも、一週間は七日間である』という設定には強烈な違和感を覚えます。

【そもそも、Vividのシリーズでは、『惑星ミッドチルダには衛星(つき)が二つある』という基本設定それ自体が、完全に忘却されていたような気もするのですが。(苦笑)
 なお、この作品では、『ミッドでは昔から、この二つの衛星はそれぞれ「赤の月」、「白の月」と呼び分けられているが、実際には色調の違いはそれほど顕著なものではなく、一般の人々は色調よりもむしろ表面の模様によって、それらを「(かに)の月」、「(うお)の月」と呼び分けている』という設定で行きます。】

 そこで、この作品では、『ミッドで言う「一週間」は(天体の数には関係なく)六日間のことである』という設定にします。
 また、年末の「余り日」は「曜日の無い祝日」で、基本的にはすべて休日となります。
 つまり、『毎月、「1日と7日と13日と19日と25日」は必ず「一曜日」になり、「2日と8日と14日と20日と26日」は必ず「二曜日」になり、(中略)「6日と12日と18日と24日と30日」は必ず「六曜日」になる』という、実に解りやすいカレンダーです。
 普通の学校や会社は、五曜日が半日で、六曜日が休日ですが、職種によっては、他の曜日が休日になったりもします。
 以上、いささかメンドくさい設定ですが、よろしく御了承ください。


 なお、全く個人的な見解ではありますが、もし「本物の異世界」を設定するのであれば、少なくとも、1.「暦法」 2.「単位系」 3.「言語と文字」 という三つの問題は避けて通ることができません。
 しかし、当然のことながら、この作品はそこまで「ガチな異世界もの」ではないので、いずれも以下のようにユルく流すことにします。

 暦法については、すでに述べたとおりなので、次に、単位系の話ですが……。
 まず、「一年」や「一日」の長さは、すべての世界で共通していますが、「一か月」の長さに関しては、『今も「実際の朔望(さくぼう)周期」(つまり、衛星の満ち欠けの周期)を単位として使っている世界は数多く、実は、世界によってまちまちである』という設定で行きます。
【結果として「一年の月数(つきすう)」も世界ごとにまちまちで、具体例を()げると、『ベルカ世界では一か月がほんの18日あまりしかなく、その代わりに、一年は20か月もあった』という設定です。
 さらに言えば、『ベルカでは、その一か月を「上・中・下」の三つに分けて考える習慣があり、そうした感覚が伝わった結果、ミッドでもいつしか六日を単位として「週」と呼ぶようになった』という裏設定です。】

 また、この作品には「時・分・秒」や「メートル」や「キログラム」などといった単位が普通に出て来ますが、これらはすべて『最初から地球の単位に「翻訳」して表記されているのだ』と理解してやってください。
(実際には、かつて「聖王家直轄領」だったミッドチルダやヴァイゼンが、その当時から一貫して「ベルカ文化に由来する単位系」を使い続けているため、今でも「管理局の公式単位系」は、それをそのまま受け継いだものとなっています。)

【裏設定としては、以下のとおりです。
『古代ベルカにおける度量衡の単位は、「プランク長さ」や「プランク質量」に基づいて、それに「1000の何乗かを()けた値」を基本単位としていた。
 つまり、長さの基本単位は「およそ1.62センチ」で、重さの基本単位は「およそ21.8キログラム」なのだが、ベルカでは一般に「120進法」(10進法と12進法の組み合わせ)が用いられていたため、人間の身長や体重を表現する際には、「およそ16.2センチ」や「およそ1.81キログラム」の中間単位(1クーロや1ベイン)がよく用いられていた。
 また、時間に関しても、日常的に用いられる基本単位は、1日の120分の1(つまり、12分)であり、古代ベルカでは、一般にこれを「1(ハウル)」と呼んでいた』
(なお、「プランク長さ」や「プランク質量」については、Wikipediaなどを御参照ください。)

 ただし、時刻を表す際には、この同じ「(ハウル)」を「()」と翻訳することにします。
 つまり、古代ベルカでは、真夜中を「0時」と、日の出の頃を「30時」と、正午を「60時」と、日の入りの頃を「90時」と呼んでいた、という設定です。
(これらの数字を5で割れば、地球で言う「24時間表記」に簡単に換算できるので、個人的には、『これは、それほど難しい設定では無い』と思っています。)
 現在、こうした単位系は「主要な管理世界」で広く用いられており、各種の学校において一般に「授業が48分で、休み時間が12分」なのも、時間の基本単位が「1(ハウル)」だからなのです。】

 言語については、『メインキャラの名前の多くが明らかにヨーロッパ風である』という時点で、もはやどうしようもないのですが(苦笑)……文字については、これまた『最初から、地球の文字に「翻字」して表記されている』ものと考えてやってください。
 具体的に言うと、『日常的な「ミッド文字」はすべてラテン文字(普通のアルファベット)に、古代の「ベルカ文字」はすべてギリシャ文字に、次の章の「背景設定2」で述べる「号天文字」はすべて漢字に、それぞれ書き換えられている』という設定です。
(Vividのコミックス第5巻では、ハリーの戦闘服の背中に、漢字で『一撃必倒』と書かれていましたが、これも、もちろん、現実には「号天文字」で書かれているのです。)

【なお、この作品では、オリジナルのキャラクターの名前は「なるべく」ヨーロッパ風にならないよう努力しましたが、「原作に登場する、ヨーロッパ風の名前をしたキャラクターの親族など」に関しては、例外的に、わざとヨーロッパ風の名前で揃えてみました。この点も、どうぞ悪しからず御了承ください。】

 また、話し言葉に関しては、『実際には、世界ごとにそれぞれ別々の言語を話しているのだが、現代では超小型の(耳たぶの後ろの「髪の生え際」あたりに貼りつけて使うタイプの)極めて優秀な「全自動翻訳機」が普及しているため、双方がこれを装備していれば、別の世界の人間同士でも普通に会話をすることができる』という設定です。

【この作品では、我ながらムチャな設定ですが、『こうした全自動翻訳機の「上位機種」(魔力のある人、専用)ともなると、念話の要領で「自分なりの言葉」を明瞭に心に思い浮かべただけで、翻訳機が自動的に舌や喉の筋肉を操り、最初から「翻訳された言葉」を発声することができる』という設定で行きます。
 そういう設定にしておかないと、「無印」で(生まれて初めて地球に来たはずの)フェイトが、なのはと普通に「音声で」会話できていたことの説明がつかないからです。
(つまり、『最初の時点で、フェイトは普通に日本語を喋っていた』という設定です。)
 また、「リリカルなのはStrikerS サウンドステージ01」の内容は、『機動六課の面々が「出張任務」と称して地球の海鳴市に赴き、そこで、新人たちが「逃亡した自律行動型ロストロギア」、通称「プニョプニョスライム」を無事に捕獲して帰って来る』というものなのですが、ここでも(今まで地球には全く縁が無かったはずの)ティアナたちが(ミッドの言葉など知らないはずの)アリサやすずか、士郎や桃子たちとも普通に「音声で」会話をしています。
 これに関しても、『機動六課の面々は、最初からそうした「全自動翻訳機の上位機種」を装備した上で地球に来ていたのだ』と考えておくことにします。

 しかし、そうなると、『管理局はそれ以前から「日本語に関する充分な量の(辞書を作れるほどの)具体的なデータ」を取得していた』と考えざるを得ません。
 ひとつには、それもあって、私は「はじめに その3」の年表で「新暦11年」および「15年」の項目に書いたような設定を組みました。
 この作品では、『新暦11年、ミゼット提督は次の調査艦隊のため、地球に接続する〈次元航路〉の本数や等級などを詳細に調べた後、地球の各地に何人もの「潜入調査員」たちを残して〈本局〉に帰投した。その後、調査員たちはそれぞれの土地で現地の人間に成りすまし、言語や習俗を始めとする「基礎データ」をひととおり収集してから、12年以降には順次、後続の調査艦隊に回収される形で〈本局〉に戻った。
(なお、事前にそうした「基礎データ」が存在していたため、新暦15年に地球で〈GV事件〉が起きた際にも、管理局の側は「事件に巻き込まれた地球人たち」との意思疎通を容易(たやす)く行なうことができた。)
 そうした「基礎データ」は管理局の内部では公開情報とされており、プレシアも新暦65年に〈時の庭園〉で「地球~ファルメロウ方面」へ向かうに際しては、事前に「現地の言語データ」などをまとめて取得していた』という設定にしておきます。】

 ちなみに、指を折って数を数える時の「数え方」について、ですが……ミッドでは一般に、次のような数え方をしている、という設定で行きます。
『最初は、軽く(こぶし)を握った状態から、まず人差し指だけを伸ばして「一」、次に中指も伸ばして「二」、薬指も伸ばして「三」、小指も伸ばして「四」、最後に親指も伸ばして「五」と数え、そこからは、伸ばしたのと同じ順番で折り曲げて行きます。
 つまり、()を開いた状態から、まず人差し指だけを折り曲げて「六」、次に中指も折り曲げて「七」、薬指も折り曲げて「八」、小指も折り曲げて「九」、最後に親指も折り曲げて「十」と数えます』
 この方式ならば、「一」から「十」までを、すべて「違う指の形」で表現することになるので、無言のまま何かの「サイン」を出す時などには、別の数と間違える心配が無くて、とても良いのではないかと思います。(←重要)


 なお、Vividのコミックス第13巻では、ジークリンデの口から「義務教育」などという言葉が飛び出してしまっているのですが……。
 まず、「リリカルなのはStrikerS サウンドステージ04」によれば、St.ヒルデ魔法学院は基本的に「五三二二制」であり、Vividでも、そのように描写されています。
 しかし、いくら私立(?)でも、こうした部分までもが公立の学校と違っているとは考えにくいので、この作品では、『ミッドでは全土で共通して「五三二二制」が採用されている』と考えておくことにします。
(おそらくは、他の管理世界でも、おおむね同様でしょう。)

 この作品では、『学校の「年度」は4月からで、年が明けて7歳になった小児(こども)たちは、全員がその年の4月から初等科に入学する』という設定で行きます。
 ただし、特に10月以降に生まれた子の場合、かかりつけの医師から『同じ年に生まれた他の子たちと比べて、体格や身体能力にあまりにも差がありすぎる』と診断された際には、「遅れ就学」(8歳になってからの入学)も普通に許可されています。
 実際、メガーヌは新暦40年11月の生まれですが、7歳の頃までは、まだ少し病気がちで発育の悪い子だったので、48年の4月になってから初等科に入学しました。そのため、41年の3月に生まれたクイントとも、実は同学年なのです。

 また、ミッドでは本来、初等科と中等科の8年間が「義務教育課程」です。
 ただし、ここで言う「義務」とは、親の側に『子供に教育を受けさせる義務がある』という話であって、決してその子自身に『学校へ(かよ)う義務がある』という訳ではありません。
 そのため、状況的に(あるいは、性格的に)学校へ通うことが上手くできない小児(こども)たちのための「通信教育制度」も広く普及しています。
 そして、「具体的な人間関係」などに時間を()く必要が無いからでしょうか。通信教育においては、しばしば「飛び級」という現象が起きます。
(通常の学校でも、制度としては認められていますが、大半の場合、その「優秀な成績を(おさ)めた生徒」自身が「同じ学年の友人」との人間関係の方を優先させてしまうため、実際に「飛び級」が起きることは、ごく(まれ)なことなのです。)
 実のところ、ヴィクトーリアやジークリンデやファビアも、通信教育によって各々わずか5年ほどで義務教育課程をすべて修了してしまいました。

 なお、アインハルトは、当初は普通に7歳で初等科に入ったのですが、じきに『修行の妨げになるから』という理由で、祖父エーリクに()めさせられてしまいました。
 幸い、祖母イルメラが元教師だったので、通信教育によって家庭でも十分な教育を受けることができましたが、あくまでも修行の方が生活の中心だったため、初等科課程の修了には4年かかりました。そして、次の年(新暦78年度)は「一年間、休学」という扱いにしてもらって、その間に覇王流の修行を一段落させ、79年には12歳で「普通に」中等科に進学したのです。

【つまり、コミックス第1巻で、平日の朝に「近くの署」へ出頭したアインハルトがノーヴェから『学校はどーする 今日は休むか?』と()かれた時に、『行けるのなら行きます』と答えたのも、単に「真面目な性格だから」というだけではなく、『初等科の時には行きたくても行かせてもらえなかったから、今は本当に「学校というトコロ」へ行きたがっているのだ』という「解釈」です。】

【ちなみに、Vividのコミックス第3巻のキャラクターファイルには、ハリーが『15歳、高等科2年、参加歴3回』(つまり、「今回」で4回目)と紹介されており、その一方で、第4巻には『初参加は中等科1年の時』という記述があり、「五三二二制」という設定とは微妙に()い違っているのですが……。
 Vividのコミックスは、同じ第4巻に『新暦89年度』という「あからさまな誤植」もあるので、今ひとつ信用がおけません。
 この件に関しては、やはり『ミッドの学校はすべて五三二二制であり、ハリーのプロフィールの方が「高等科1年」の誤植だった』と考えておくことにします。高等科2年生のエルスも『自分の方が先輩だ』という意味の発言をしていますし、ハリーの学力から考えて、彼女に「飛び級」が可能だったとは、とても考えられないからです。】

 なお、この作品では、『管理局員に限り、この「義務教育課程」は必要に応じて免除される』という設定で行きます。
 実際、スバルとティアナは、陸士訓練校に入った年齢を考えれば明らかに初等科学校しか卒業していませんし、エリオとキャロとルーテシアに至っては、そもそも「学校」というモノに通った形跡が全くありません。
(なのはやフェイトやはやても「管理世界での義務教育」は全く受けていません。)
一方、ヴィクトーリアやジークリンデやファビアに関しては、『初等科には(アインハルトと同様に)1年生の時に少しだけ通った経験がある』という設定で行きます。

 また、魔力を持たない一般の人々については、『義務教育課程の修了直後に、15歳で早々と就職する男女もまだまだ数多いが、ミッドチルダでは、すでに半数ちかくの男女が高等科まで卒業してから(ゲンヤのように)17歳で就職するようになっている』という設定にしておきます。

【なお、ミッドの「大学」は、(残念ながら、翻訳すると「同じ名前」になってしまうのですが)単なる「就職予備校」に成り下がった日本の「大学」とは全く違って、本物の「学問研究機関」であり、基本的には「学者や研究者などの専門職に()きたい人だけが行くところ」なので、今なお『進学率は一割に満たず、卒業できる者はさらに少ない』といった状況です。
 と言うか……そもそも、ミッドには『一般の企業が社員の採用に際して、その学歴を考慮する』という悪習それ自体が存在していないので、将来的に一般企業に就職するつもりの(普通の)少年少女たちは、最初から「学歴を目的として勉強をする必要性」など全く感じずに済むのです。
 大半の少年少女にとって「義務教育課程での勉強」は、あくまでも「自分なりの適性」を見つけるための手段でしかありません。だから、それさえ見つかってしまえば、あとは『すぐに、それを活かした職に就く』か、『高等科に進学して、その方面のさらに専門的な知識や技能を身につけてから、その職に就く』かの二択になるのです。
(だからこそ、『管理局員という職に就いてしまえば、「義務教育課程での勉強」など、もう必要が無い』という考え方になるのです。)
 その意味において、「ミッドにおける高等科学校」は、社会的には「日本における一般の大学や専門学校」と似たような位置づけの存在である、と考えた方が良いのかも知れません。】


 ちなみに、ミッドでは「法定成人年齢」も17歳で、「男女とも17歳から結婚可能」ということになっていますが、言うまでも無く、本当に17歳で結婚してしまう人はごく少数派です。
 また、16歳までの(未成年の)男女は、法律の上でも「少年・少女」と呼ばれます。
【いや! 決してStrikerSの「正式タイトル」に対して、今さらイチャモンをつけるつもりなど、全く無いのですが!(苦笑)】

 そして、法律上の「性交許可年齢」は15歳です。つまり、14歳以下の少年少女には、法律上はまだ「性行為への同意能力」が無いものと規定されています。
 そのため、成人の男女が「14歳以下の少年少女」と性交渉を持った場合には、そこに至った経緯やその時の状況には関係なく、合意の有無や双方の性別にも関係なく、問答無用で「強姦罪」が適用され、「薬物による人格の矯正(きょうせい)」を始めとする「(すさ)まじい処罰」を受けることになります。
 本来ならば、14歳までは(正確に言うならば、15歳の3月までは)義務教育課程であり、学校に通っているべき年代なので、14歳以下の少年少女たちは、社会的にもそのような形で「保護」されているのです。
【なお、飲酒や選挙権などは17歳からで、自動車(オートモービル)二輪(バイク)などの運転免許は原則として15歳からですが、管理局員の魔導師に限っては13歳から免許の取得が許可されています。】


 また、魔法文化の無い世界では、「体格の大きさ」や「筋力の強さ」が生存競争の上でそのまま有利に働くことが多いのですが、一方、魔法文化のある世界では、それらの性質によるメリットは「相対的に」それほど大きくはありません。
 そのため、あくまでも一般論ですが、魔法文化の発達した世界では(コストをかけて大きな体格を維持しても、生存競争としては、それほど有利になる訳ではないので)人々の平均身長は、魔法文化の無い世界に比べて、むしろ小柄になりやすくなっています。

 ただし、長く戦乱の時代が続いたベルカ世界は、(何十世代もの間、魔力の無い一般人も戦争に駆り出され続けていたので)この一般論における「例外」となっています。
「生粋のミッド人」における成人女性の平均身長は、ベルカ式の単位でせいぜい10クーロ(162センチ)ほど、成人男性の平均身長も、せいぜい10クーロと3分の2(173センチ)ほどですが、今もなお「ベルカ系の人々」の平均身長は、男女ともそれより半クーロ(およそ8センチ)ほど高くなっています。
(どの世界でも、『寒い土地の人ほど、大柄な体格になりやすい』という傾向があるので、多少はそれが原因なのかも知れません。)

【なお、公式には「女性キャラの身長」が低め低めに設定されているようですが、この作品では、それらの公式データにはあまりこだわらない方向で行きたいと思います。
 特に、シグナムの「167センチ」というのは、個人的には全く信じられない数字です。この作品では、彼女は「179センチ」(ベルカ式の単位で、11クーロ強。ほとんど「ベルカ人の成人男性」並み)ということにしておきますので、よろしく御了承ください。】

 
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