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モブの人生

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第二章

「色々あるね」
「ああ、そうだな」
「言われてみるとな」
「そうだよな」
 他の者達もそれはと頷いた。
「お前も何かとあったんだな」
「大変なことが」
「そうだったんだな」
「うん、いいこともね」
 こちらもというのだ。
「あったしね」
「悪いこと大変なこともあればか」
「いいこともあったか」
「うん、大学は合格したし皆とも知り合えて」
 そうしてというのだ。
「入社したのはホワイトで奥さんと知り合えて」
「ああ、それはいいな」
「確かにな」
「子供は病気もしたけれどすくすくと育っていい子だし」
 水疱瘡等になった彼もというのだ。
「ご近所も問題ないしね、その親戚もいなくなったし」
「そうなんだな」
「いいことも多いんだな」
「悪いこと大変なことがあっても」
「そちらも色々あったけれどね」
 いいこともというのだ。
「何もないかっていうと」
「全然違うか」
「そうした人生か」
「うん、そうだよ」
 こう言うのだった、その彼の話を聞いてだった。
 同窓会に出席した彼の友人達はこう話した。
「目立たなくてもな」
「生きているとな」
「それだけで何かとあるんだな」
「そうなんだな」
 こう話した、そしてだった。
 誰でも生きていれば何かとある、このことを知ったのだった。そうして自分達をそれぞれ振り返ってみるとだった。
「俺も何かとあったな」
「俺もだ」
「俺もだよ」 
 口々に言い合った。
「親が離婚したりとかな」
「地震に遭ったりな」
「病気で死にそうになったりな」
「すんでのところで助かったり」
「いい人に出会えたり」
「思わぬ大金が入ったりな」
 何かとあったというのだ。
「いいことも悪いこともな」
「どっちもあるな」
「そうだよな」
「生きているとな」
「それだけでな」
「誰だってあるな」
 こう話した、そしてだった。
 誰もがと思った、そのうえで茂夫も入れてそれぞれの人生を語り合った。それは本当に何かとあるものだった。そのことがわかった同窓会だった。


モブの人生   完


                   2023・7・13 
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