夢幻水滸伝
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第三百十九話 ロサンゼルスからはじまるその十四
「カルフォルニアをな」
「統一しますね」
「まずな、それで自分にもや」
サンダーバートにも言うのだった。
「やってもらうで」
「ご主人様を乗せて空を駆り」
「戦の時はな」
「術を用いてですね」
トウェインを乗せたうえであることは言うまでもない、それがサンダーバードの主な仕事だからだ。
「そしてブレスもですね」
「吹いてもらうで」
「戦になれば」
「ああ、頼むな」
「お任せあれ」
これがサンダーバードの返事だった。
「その時は」
「ほなな」
「まだご主人様の活動ははじまったばかりですね」
「そや、夜明けのな」
それのというのだ。
「まだお日様も出てへん」
「空が明るくなってきた」
「黒から白くなってきて」
「まだ青になっていない」
「そんな時や」
「まだそんなところですね」
「そや、ほんまにはじまったばかりや」
こう言うのだった。
「そんなところや」
「まさにこれからですね」
「しかし千里の道も一歩から」
長い道のりもというのだ。
「最初のや」
「その一歩からはじまるので」
「わいはまだその一歩を踏み出したところでも」
それでもというのだ。
「その一歩をな」
「確かにですね」
「踏み込んだしこれからもな」
「歩いていきますね」
「そうしてくわ」
サンダーバードに話すのだった。
「この世界を救うまでな」
「もうお覚悟は決められてますか」
「いやいや、覚悟っていうか使命やろ」
そこは違うとだ、トウェインは返した。
「星のモンにとってはな」
「絶対の使命ですね」
「もう覚悟以上のもんや」
「覚悟は自覚して向かうもので」
「わい等の使命はな」
絶対のそれはというのだ。
「それをせんとあかんっていう」
「当然のことですね」
「そや、そやから覚悟なんてな」
これはというのだ。
「ないわ」
「既にそれ以上のものがおありなので」
「そや、それでや」
トウェインはあらためて話した。
「ロサンゼルスまであっという間やな」
「私は最大速度で音速を優に超えます」
その速さで飛べるとだ、サンダーバードは答えた。
「このことは他の神星の方々の神具も然りです」
「乗りもののやな」
「そうです、音速の二倍も三倍も」
そこまでの速度がというのだ。
「出そうと思えばです」
「出せるな」
「はい、そして」
「わいもやな」
「星の方の能力なら」
極めて高いそれならというのだ。
「私達の速度もです」
「生身でも平気やな」
「左様です」
「それだけ頑丈ってことか」
「普通生身で超音速の速度に耐えられるか」
「コクピットの中におっても無理やな」
トウェインもそれはと答えた。
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