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オズのカリフ王

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第九幕その九

「ないのじゃ」
「そうですよね」
「それでお空を飛べるなら進めますね」
「そこから先にも」
「翼とかがあったら」
「そう出来ますね」
「うむ、例えば空を歩ける靴があれば」
 それならというのです。
「そこから先もな」
「進めて」
「お空を歩ける」
「そうですか」
「そんな靴も欲しいですね」
「一度履きたいですね」
「全くじゃな、それでじゃが」
 ノーム王は皆と一緒にアーチを渡り終えてからまた言いました。
「今度は木造の少し垂れたな」
「ああ、吊り橋ですね」
「それも渡りたいんですね」
「塔と塔をつないでいる」
「若しくは建物の」
「そこを渡って」
「楽しみたい、こうした場所のアーチを渡るのも」
 それもというのです。
「実にな」
「楽しいのう、楽し過ぎて」 
 ドワーフ王は塔の中で言いました、今は塔の今いる階の中で言いました。
「心の弾みが止まらない」
「そうであるな」
 ノーム王はドワーフ王の言葉に頷きました。
「このお城でもな」
「全くじゃ、しかし何処かな」
「どうしたのじゃ?」
「いや、このお城はお城と言ってもな」
 ノーム王はドワーフ王に首を傾げさせつつ言うのでした。
「宮殿の方のな」
「そうしたお城じゃな」
「そちらじゃな」
「確かに」
 否定せずにです、ドワーフ王も頷きました。
「砦が巨大になってな」
「宮殿になるな」
「うむ、お城と言ってもそれぞれじゃ」
「わし等のお城は山の中をくり抜いてな」
「そこに多くの部屋と通路を設けたものじゃ」
「それが地下の城で多い」
「後は空洞の中を街にしてな」
 そうしてというのです。
「それがお城じゃ」
「あと宮殿をもうけてな」
「お城とすることもある」
「そうであるな」
「街もお城なのよね」
 ビリーナが言ってきました。
「オズの国でも」
「そうじゃな」
「お城って言ってもね」
 一口にです。
「色々あるわね」
「そうであるな」
「街を壁で囲んだら」
「立派なお城じゃ」
「そうよね」
「それでこのお城はな」 
 天空のお城はといいますと。
「宮殿であるな」
「砦を大きくした」
「そっちであるな」
「ええ、あと日本だとね」
「うむ、地上での安土城や大坂城であるな」
「ああしてね」
「城下町が周りにあってな」
 ノーム王も日本のお城のことを知っていました。 
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