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ヘタリア大帝国

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TURN51 降伏その五

 その彼女がアメリカの問いにこう答えた。
「海にいるのではないかと」
「僕達の目の前にあるかい?」
「はい、この海に」
「怪獣と闘っているのか」
「おそらくは」
 こうアメリカに答える。
「だからまだ来られていないかと」
「そうか。なら仕方ないな」
 アメリカもイザベラから聞いてこう言う。
「少し待とう」
「はい、それでは」
「すぐ来るだろうしな、それだと」
 アメリカはこう言ってその彼を待つことにした。するとすぐに海から日に焼けた黒い肌に白い顔の下半分を覆う豪快な髭を生やした黄金の兜の男が来た。腰蓑を着けており異様なまでに大柄で逞しい身体wしている。
 その彼がこう言うのだった。
「おお、祖国さんか」
「やあ酋長、元気そうだな」
「ああ、海で鮫と闘っていた」
「それでどうだったんだい?」
「十二メートルはあったがな」
 鮫としてはかなりの大きさである。
「勝ったからな。見事撃退したぞ」
「それは何よりだな。ところで娘さんは何処なんだい?」
 アメリカはその酋長ギガマクロに問うた。
「いつも一緒じゃないのかい?」
「どうも外出していてな」
 ギガマクロは少し微妙な顔で述べた。
「いない」
「そうなのか」
「まあ少ししたら戻って来るだろう」
 ギガマクロは腕を組み豪語する顔で言った。
「それを待つか」
「そうするんだな」
「うむ、あれもわしの娘だ」
 だから だと言うギガマクロだった。
「そう簡単に死ぬタマではないわ」
「それはその通りね」 
 キャロルがそのギガマクロに明るく応える。
「酋長の娘さんなら大丈夫よ」
「そうだ。大丈夫だ」
 ギ0ガマクロはキャロルにも豪快に返す。
「それで今はどうする」
「昼食を食べよう」
 アメリカは笑顔でギガマクロに提案した。
「ステーキでもな」
「おお、それはいいな」
「そうだろ?皆で食べよう」
「うむ、それではな」
 こうした話から四人でアメリカの行き着けの店に入る。そうしてステーキを食べその中でだった。
 ギガマクロは一キロはあるステーキをむしゃむしゃと食べながらアメリカに問うた。
「そろそろそっちもだな」
「ああ、決戦だ」
「そうか。頑張れよ」
「酋長は見ていてくれ」
 参戦は要請しなかった。その考えは最初からなかった。
「僕達の勝利をな」
「自信はあるんだな」
「なくて言わないぞ」
 アメリカもまた大きなステーキを食べている。その中での言葉だった。
「こんなことはな」
「そうだな。しかしな」
「わかっているさ。ハワイの皆には迷惑はかけない」
 アメリカはギガマクロにこのことを約束する。
「彼等も僕の大切な国民だからな」
「そうして貰えると有り難いな」
 ギガマクロもこう言う。
「わしにしても戦争で国民が傷付くのはな」
「嫌だな」
「国民が傷付くことを喜ぶ王はいない」
 これは彼も同じだ。そうそうおかしな者でもない限りそうだ。 
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