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オズのカリフ王

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第九幕その四

「持っていないから」
「それでなのね」
「そう、残念だけれど」
「鯨さんのところまではなのね」
「行けないわ」
「じゃあ仕方ないわね」
 つぎはぎ娘はトロットのお話を聞いて頷きました。
「それじゃあね」
「ええ、鯨さんは今は見るだけにして」
「他の生きものと同じで」
「そのうえでね」
「さらに進むのね」
「そうしましょう」
 こう言うのでした。
「次の歴訪先にね」
「わかったわ」
「さて、その次の国じゃが」 
 ノーム王が言ってきました。
「今度は天空のお城じゃ」
「ああ、あの天使さん達がいる」 
 ジョージはそのお城のお話を聞いて言いました。
「あのお城ですね」
「確かお前さん達は行ったことがあるな」
「はい、あそこも素敵な場所です」
 ジョージはノーム王に笑顔で答えました。
「本当に」
「そうであるな」
「あそこにですね」
「今から行ってな」
 そうしてというのです。
「また訪問させてもらう」
「そうですね」
「ううむ、写真等を見るとな」
 ノーム王は今度は唸って言いました。
「かなり幻想的な」
「はい、素敵な場所です」
「外の世界だとアニメみたいな」
「本当に素敵な場所です」
「お空に島が浮かんでいて」
「その島全体がお城になっていますから」
「石造りのな、わしは空に行けたなら」
 その時はとです、ノーム王は目をキラキラとさせて言いました。
「是非な」
「あのお城に行きたい」
「そう思われてたんですね」
「そうなんですね」
「それじゃあですね」
「今からあのお城に行けるので」
「楽しみじゃ」 
 心からのお言葉でした。
「まことにな」
「わしもじゃ」
 ドワーフ王も言いました。
「これまで行った場所もであるが」
「天空のお城もじゃな」
「行くのが楽しみじゃ」
「そうであるな、しかしお空を飛べる様になってな」
「何かとじゃな」
「行ける場所が増えてな」
 そうしてというのです。
「よいのう」
「まことにな」
「ではな」
「うむ、行こうぞ」
「天空のお城にもな」
 満面の笑顔でお話してでした。
 飛行船をそちらに向かわせます、そしてです。
 飛行船は天空のお城に着いて船に接舷して上陸しますと。
 石造りの西欧の建物や塔、お城のそれが浮島の全てに建っていてです。
 アーチもかけられ緑の草やお花で飾られていてとても奇麗です、そこに大勢の天使の人達が銀色の鎧兜と剣や槍で武装してです。
 皆を迎えてくれました、そして城主さんも言ってきました。 
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