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オズのカリフ王

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第八幕その六

「あたしはね」
「そう考えるところが貴女ね」
「そうでしょ、好きでね」
「歌いたいなら」
「もう上手とかそういうことはね」
「関係ないのね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「だから完全に歌えないかもと言ったけれど」
「歌いたいのね」
「歌いたいなら歌えよ」 
 またこう言ったつぎはぎ娘でした。
「上手下手はね」
「関係ないわね」
「そうよ」
「そうね、言われてみればね」
「ええ、歌いたいなら」 
 それならというのです。
「楽しくね」
「歌えばいいのね」
「そうよ、だから後でね」
「この曲を歌うのね」
「絶対にそうするわ」
「そう、歌は上手下手じゃないの」
 ポリクロームはつぎはぎ娘達にも言ってきました。
「大事なのはね」
「歌いたいかどうかよね」
「そのことが重要で」 
 それでというのです。
「精霊の国でもよ」
「そう考えられているのね」
「だってオズの国だから」
 精霊の国もこの国の中にあるからだというのです。
「それでよ」
「そうなっているのね」
「そうよ」 
 実際にというのです。
「だからね」
「あたしもこの歌歌っていいのね」
「歌いたいならね」
「じゃあそうするわね、ただね」
 ここでこうも言ったつぎはぎ娘でした。
「この歌ダンスはないわね」
「ええ、夜の女王様は歌われる時はね」
「ダンスは踊らないの」
「そうした歌も多くて」 
 夜の女王が歌う歌はというのです。
「この歌もなのよ」
「物凄くダンスがありそうな曲だけれどね」
「曲名は復讐は地獄の様にっていうの」
「曲名はそうね」
「本当に音が高くてね」
「テクニックもね」
「とんでもないレベルが必要だけれど」
 それでもというのです。
「ダンスはね」
「ない曲ね」
「けれどダンスをしたいなら」
「それもしていいのね」
「貴女のダンスは有名だしね」
「オズの国でもよね」
「貴女だから出来るダンスもあるけれど」
 つぎはぎ娘のぬいぐるみの身体だからです、骨もお肉もなくてとんでもなく柔らかい跳ねられる身体がです。
「それでもね」
「踊れるならよね」
「そして踊りたいならね」
 それならというのです。
「こちらもね」
「していいわね」
「ええ、ただね」
「ただ?どうしたの?」
「貴女しか出来ないダンスもあるけれど」
 ポリクロームはつぎはぎ娘に言いました。 
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