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博士の挑戦状

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第八十話

                  第八十話  ライトノベル
 博士はライトノベルを読んでいる、その博士に対してライゾウとタロは傍に来てこんなことを言った。
「それどんな内容だぞ」
「ライトノベルって言っても色々だけれどね」
「今流行の異世界転生ものか?」
「それかな」
「いや、学園恋愛ものじゃ」
 博士は二匹に読みつつ答えた。
「そっちじゃ」
「へえ、恋愛ものか」
「そちらなんだ」
「そうじゃ、恋愛はよいぞ」
 博士は笑って言った。
「そこには人間そのものが書かれておる」
「それでか」
「博士も読むんだね」
「そうじゃ」
 その通りだというのだ。
「恋愛ものもな」
「本当に何でも読むんだな博士って」
「恋愛ものにしてもなんだ」
「だからよいと思ったらじゃ」
「何でも読むか」
「本ならだね」
「それがわしじゃ」
 博士は二匹にこうも言った。
「だからこれを読んでな」
「そして楽しんでか」
「そうしてだね」
「人間も学ぶのじゃ」
 そうするというのだ。
「また言うがな」
「恋愛には人間そのものが書かれている」
「だからだね」
「人間を学ぶこともする」
「源氏物語もそうであろう」
 このあまりにも有名な古典作品もというのだ。
「そこには人間が書かれておってな」
「人間を学べるんだな」
「そうなんだね」
「そして源氏物語は今で言うライトノベルでな」
 その立場だというのだ。
「軽く読める、そしてじゃ」
「人間も学べるのか」
「そうなんだね」
「ライトノベルは下手な哲学書より遥かに学べる」
 博士はこうも言った。
「だから読むといいのじゃ」
「成程な」
「博士もそう考えてるんだね」
「そうじゃ」
 言いつつ読む、そうして人間を学んでいくのだった。


第八十話   完


                 2023・7・14 
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