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オズのカリフ王

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第七幕その八

「しかしな」
「いびきはか」
「何とかしてもらわんとな」
「いびきを抑える薬あっただろ」
 孫悟空さんが言ってきました。
「オズの国にはな」
「ああ、あったな」
 張飛さんもそれはと応えます。
「そういえば」
「寝る前にそれ飲んだらいいだろ」
「そうするか、飲んだ後は」
「おいらだってな」
 孫悟空さんは自分のこともお話しました。
「実は歯軋りが酷い時あってな」
「はい、それで心配になりました」
 三蔵法師さんが言ってきました。
「私としても」
「おいらの歯軋りがあんまりにもなので」
「どうしたのかと」
「いや、何でもなかったみたいですが」
 孫悟空さんは三蔵法師さんに答えました。
「一時期そうでしたね」
「原因はですね」
「まあそうした癖がです」
「ついただけですか」
「はい、ですが」
 それでもというのです。
「あんまり酷いって言われて」
「貴方もでしたね」
「歯軋りを止める薬を飲んで」 
「治しましたね」
「そうしました」
 実際にというのです。
「ですから張飛の旦那にはです」
「いびきを止めるお薬をですね」
「飲めばいいと思います」
「そうですね、確かに」
「じゃあ飲むな」
 張飛さんもそれならと応えます。
「今夜は」
「そうしたらいいさ、本当に旦那のいびきときたら」
 それこそと返す孫悟空さんでした。
「雷みたいだからな」
「そこまでか」
「北欧の神様のトールさんのいびきも凄いがな」
「おいらもでか」
「そこはな」
 絶対にというのです。
「ちゃんとしてくれよ」
「それじゃあな」
「ううん、そんなにいびきが凄いんですか」 
 ジョージはお饅頭を食べつつ応えました。
「張飛さんは」
「言われるとそうした感じしますね」
 恵梨香は海鮮麺を食べながら頷きました。
「どうにも」
「張飛さんってお身体もお声も大きくて」
 それでとです、神宝は炒飯を食べつつ言いました。
「体格もご立派ですし」
「何かもうです」
 カルロスは水餃子をお箸に取って言いました。
「イメージ通りです」
「何となく頷けます」 
 ナターシャは鶏の唐揚げをお口に入れてから言いました。
「張飛さんなら」
「普段からいびきを出すのだが」
 関羽さんも言います。
「これが飲み過ぎるとな」
「凄いんですね」
「まさに雷みたいに」
「そんないびきですか」
「それを出されて」
「お隣のお部屋にまで来ますか」
「そうなのだ、長い付き合いだが」
 関羽さんは実は張飛さんとは義兄弟、桃園の誓いより前から一緒にいます。そこまでのお付き合いなのです。 
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