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ドリトル先生の落語

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第六幕その七

「自分が今いる場所で真面目に頑張る」
「そうしなさいっていう考えでね」
「何をしても無駄じゃないね」
「そうした考えじゃなくて」
「救われると信じて努力する」
「そうしたものだね」
「そうだよ、何にしても努力をして真面目に生きることだよ」
 このことが大事だというのです。
「本当にね」
「そうだよね」
「それが大事だよね」
「先生もいつもそうしているし」
「予定説でもだよね」
「そうだよ、では春琴さんともね」
 落語家さんであるこの人ともというのです。
「お会いしようね」
「そうしようね」
「是非ね」
「ここはね」
「そうしようね」
 こう言ってそうしてでした。
 先生は学問を続けつつ春琴さんの来訪を待ちました、そしてその日になりますと。 
 大学のキャンバスで細面で黒髪を右で分けた眼鏡の痩せたスーツの中年男性の人と波がかったブロンドの髪を長く伸ばしてツインテールにして青い目と小さな顔に赤い唇と細い眉を持っている一六〇センチ位の背の赤茶色の着物の白人の女の人と会いました、場所はキャンバス内にある喫茶店の中です。
 挨拶をしてからです、着物の女の人は自己紹介をしました。
「はじめまして、春雨亭春琴です」
「上林翔太といいます」
 スーツの人も名乗りました。
「マネージャーを勤めています」
「貴方が先日お電話してくれた」
「はい、そうです」 
 その通りという返事でした。
「宜しくお願いします」
「そうですか、ジョン=ドリトルです」
 先生も名乗りました。
「職業は医師であり学者です」
「左様ですね、それでなのですが」
「もうご存知やと思いますが私落語家やってまして」
 春琴さんも言ってきました。
「それで日本文化も勉強してまして」
「落語家だからですね」
「はい、日本に留学して」
 そしてというのです。
「それから日本が大好きになりまして」
「それで日本文化もですね」
「めっちゃ好きになりまして」
「落語家になられたんですか」
「部活はずっと落研で」
 落語研究会でというのです。
「事務所のオーディションを受けまして」
「それで、ですか」
「所属になりまして師匠の下で修行させてもらって」
 そうしてというのです。
「今は落語家としてです」
「活動されてますか」
「そうです、ちなみに大阪に友達と一緒に住んでます」
 このこともお話するのでした。
「好きな食べもんはオムライスときつねうどん、たこ焼きに焼きそばです」
「そうしたものがお好きですか」
「趣味は読書と食べ歩きと銭湯巡り、阪神タイガースの応援です」
「それでこの度です」
 上林さんも言ってきました。
「先生が日本文化のことを書かれていて」
「論文で、ですね」
「日本文化に造詣が深いイギリス出身の方なので」
「来られたのですね」
「それでお話を聞きに来ました」
 そうだというのです。
「この度は」
「そうですか」
「はい、そして」
 そのうえでというのです。 
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